赤い靴
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おらが村では、ばっちゃまが
おらが村では、ばっちゃまが、これまた、ぎょうさんおるがゃ。
子供たちは、とっくに若い両親に連れられて 、出て行ってしもうた。
そんなわけで、おらが村では、若いもんがおらんようになってしもうた。
そういや、前に1人だけ若いおなごがおったのぅ。
両親が事故で死んでしもうたんで、若い娘っ子が、ばっちゃまと暮らしとったんじゃが、その娘っ子も、ちぃーっとばかし色気づいて、赤い靴をは履き ょったんじゃ。
ほんだら、
「あすこの娘っ子は頭がおかしゅーなった。」
ゆーて、
年寄連中から陰口を叩かれたり、面と向かって嫌味ばっかし、よーゆわれておったなぁ。
ほんで、ばっちゃま連中は娘っ子を村八分にしたんじゃ。
よぉ我慢しちょったけんども、とうとう堪えきれんと、村外れの深池に身を投げてしもぉた。
ただ1人の身内であったばっちゃまは 、たいへん嘆いとったんじゃが、しばらくすると 、他のばっちゃん連中とおんなじ様に 、孫娘の残した赤い靴を、そのちっせい足に嵌め込んでおるんじゃ。 <終>
赤い靴