すっとこどっこい

夏みかん

ロシア系てアンタ笑。

まさに私を表した言葉である。

私の名前は、スットコ・ドッコイ。
純日本人ではない。父の代で帰化した。
ロシア系のクオーターである。

スットコのすっちゃんとよく呼ばれる。
私の肩幅はでかい。
よく遠目に見て男に間違われる。御年二十七。今年で二十八になる。

私は父の会社が儲けているので、二十四まで死ぬほど働き、その後は自由にしている。
男も作らず、真面目なものだ。ただただ本を読む毎日。

今日、そろそろ読む本が尽きそうだと考え、駅前の気になっていた古本屋へ行くことにした。
ついてみたら、三冊百円と、格安の箱売りである。
店内に入ると、まさに、エロ、エロ、エロスの園である。
こういった品ぞろえにしないともう売れないのだろう。
私は個人的にはもう少し趣味に走ってもいいと思うのだが。

そう思いながら、藤沢修平の小説を三冊買い、ついでに国語辞典もほしいのですが、と言うと、意外と気が合いそうな店主は綺麗な目をしていて、何冊か手に取り値段を見せてくれた。
七百円のと四百円の国語辞典。私は迷わず四百円の方を選んだ。

「箱がね、ちょっと古いからね」

でも中身は綺麗なのよーと、愛想よくしてもらい、別れた。

その後、駅前の餅屋により、「柏餅って今が旬ですか?」と聞くと、「もうすぐ無くなりますよ」と返され、慌てて買った。
どちらが多め?と聞かれ、「白で」と答える。
白が三つに、緑が二つ。

「御跡がよろしいようで」

そう店員に言われ、「はい」と自信を持って答えた。
なんだか落語調である。
さてはこの人、機嫌がいいな?
そう思い、店を辞す。

家に帰ると、精神的に参っている弟が寝ていたので、「餅食べるー?」と聞くと「いらーん」と返ってきた。
彼の復帰ももう間もなくであろう。最近頑張っているのを知っている。

部屋に戻り、犬を撫でてから柏餅の白を食べ、父に任されているレシートの処理に時間をあてがう。
大分片付いたところで中断し、テレビでミヤネ屋とグッディを行ったり来たりする。
彼らの辛口な批評はいつも私を真面目にしてくれる。
ありがとうミヤネさん。ありがとうグッディの女子アナさん(名前忘れた。

その内子供がいつも通り集まり、窓の外で騒ぎだす。
たまにからかってくるのが面白く、大阪らしいと何やら愛着を感じている。
可愛らしいではないか。小さい子の頭を使ったとんちのような言葉遊び。
それにからかわれる大人の私ってなんなんだろう。
一体彼らの中で私って何なんだろう。そう考えると何やら楽しい。

時間が経って、お終い。チビさん達お家に帰っていき、母も買い物から帰ってきた。
世に知られているほど大人物だとは思わないが、目立つほどにぼーっとしている。

そんな私の名前は、スットコ・ドッコイ。
ロシア系クオーターの三世である。

すっとこどっこい

面白くしたかったのです。

すっとこどっこい

今日も子供にからかわれる。私の名は、スットコ・ドッコイ。

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • SF
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-05-17

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