僕はとろお。

犬のきっもち。

今日もお姉ちゃんと散歩。

僕の名前はとろお。
ミニチュアダックスのお母さんとチワワのお父さんから出来たハーフ犬だ。

僕が今のお家にもらわれてから六年経つ。
主に世話を見てるのはお姉ちゃん。お兄ちゃんは二人いて、年下の方の部屋が僕の便所だ。僕はいつもそこでうんこをする。
おかげでお姉ちゃんが掃除が上手くなってしょーがないとお母さんと話していた。
だから僕は偉い。

今日、お姉ちゃんと郵便局と言うところに行って、待っている間にお婆ちゃんに撫でられて、嬉しくてわんわん吠えたら、びっくりして行っちゃった。
なんでだろう。
お母さんより年上の人が着る服を売ってるぶてぃっくというお店のお姉さんが、優しそうだから僕は好き!
どうしても撫でてほしくて、立ち止まったらお姉ちゃんに引っ張られて首輪が抜けちゃった。
そしたらお姉さんの方から来てくれた。

「かしこいねー、逃げないなんて、大人しいねー」

そう言って僕をしばらく撫でてくれた。お姉ちゃんは田舎育ちだから、こういうとき言葉が出てこない。「ありがとうございます」だけ言って、お姉さんの好きなようにさせてから、しばらく触ってもらってさよならをした。

もう暑いから、歩くの嫌!と引っ張ったら、また肩車されちゃった。
影のとこまで歩いてって、信号渡って下してもらった。
早くお家に帰ろうよ。
そう言って走り出したら、お姉ちゃんは違う方向に行く。
着いたのは動物病院。
またお注射されちゃった。痛いけど痛くないぞ。
そうやって頑張ったら、「偉いねー」とまた褒めてもらえた。
お姉ちゃんはここでも無口。とっても照れ屋さん。というかきょどり屋さん。

お家に帰ってゆっくりお昼寝。
音がしないと僕が退屈するから、お姉ちゃんがカフェってところでよく流れてる音楽を流してくれたよ。
ボサノヴァって言うんだって。
しばらくお布団にもぐって寝てたら、お母さんが帰ってきたよ。

「今日も暑いねー、お疲れさん」

そうお話ししながらコーヒーを飲む二人。
僕は煮干しをもらったよ。
これが美味しいの。

しばらくしたら、お母さんは買い物に行っちゃって、下のお兄ちゃんが帰ってきたよ。
お前は僕の家来だ、大人しくしろ!
そう言って吠えたら、お姉ちゃんにでこぴんされました。

だんだん窓の外に子供が集まってきて、なんだか僕とおんなじ犬もいるみたい。
挨拶してくるから吠え返したら、またでこぴんされたよ。
僕は黙って、皆の声を聴いていた。
そしたらお姉ちゃんもお茶飲みながらやってきて、しばらく二人で外を見学。

いっちねーんせーいになったーらー、って女の子たちが歌ってる。
きゃいきゃい言うからお母さんは嫌ってるけど、お姉ちゃんは結構みんなの事好きみたい。
小説のネタになるんだって。何かあるたんびに。
本をよく読むお姉ちゃんのこれが唯一の趣味。
にんげんかんさつって言うんだって。

兄弟の弟君が連れてきた犬が誰かを噛んじゃって、痛いよーって泣いてたよ。
その内その子たちのお母さんが着て、「ここで遊んだらあかーん!」と言って叱ってどこかへ行っちゃった。
でもまたすぐ戻ってきたよ。

いいなぁ、僕も遊びたいなぁ。

でも僕はすぐ噛むからダメなんだって。お母さんに言われちゃった。

「お前は損な気性だよ」

お姉ちゃんがそう言って僕を優しくとんとんと撫でた。
お父さんも帰ってきたので、今日はここまで。

また何かあるといいなぁ。
それじゃぁね。

僕はとろお。

犬視点で書きました。

僕はとろお。

犬は密かにカースト制度を設けているという。

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • SF
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-05-17

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