For 4 the Dream 第一話

「なー、新しい奴おそくない?」
 健人はしきりに降る雨を眺めている。起こす
ふと、窓から傘を被って歩く少年が見えた。
「来たーー!」
 テンションが段々上がってきた風磨に対し無言で料理を作っている北斗。
 ご飯を炒め、味を整える。
「出来…「高地ですー」
 北斗は聞こえないように舌打ちをする。
 二人に合わせ玄関に行くと、濡れ鼠のようにビッショリ濡れた少年が立っていた。
「あー、ごめんごめん。いきなりだけどちょっと風呂借りていい?まじ寒いんだ」
 笑いながら行っているが嘘ではないらしい。がたがたと体を震わせながら風呂に向かった高地を北斗は見つめていた。

 あとから健人と風磨達に聞くと、下の名前は優吾というらしい。
 丁度優吾が風呂から出た時には、北斗の作ったご飯はすっかり冷めていた。
「優吾、着替えたらとりあえず食べようか。お腹減ってんだろ?」
 風磨に言われたとおり、優吾は着替えてから食卓に着いた。
 優吾が席に着くと早速自己紹介が始まる。
「高校三年の菊池風磨。よろしくな」
「大学一年の中島健人。よろしく」
 健人と風磨は優吾に笑いかけた。
「高校二年の松村北斗…」と北斗は無表情で告げる。
 北斗はその後も優吾と風磨と健人が談笑しているときも、無言で食べ続ける。
  食べ終わると「ごちそうさま」とだけ言って北斗は部屋に戻った。

For 4 the Dream 第一話

For 4 the Dream 第一話

都会の学校街の中にある小さなシェアハウス。 そこに集まるのは年齢も学校も違う4人。 初めはお互いの事が分からず、喧嘩ばかりだった日々。 そんな4人の成長を描いてみました。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-05-28

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted