無題


無力を感じ、空っぽになるとき

ふと、世界を見渡し

愛を求めた


自己嫌悪に陥ると

心はすべての関わりを離れようとした

閉じたのか、閉ざされたのか

私には解らなかった



ふと、悲しみ

ふと、夜道をさ迷いながらも闇雲に

なにか、美しいものを求めた


無力を感じ、空っぽになるとき

ふと、世界を見渡し

愛を求めた

すべては途方もなく大きく、途方もなく、遠くに感じた


無力さは、恥や不安

嫌悪、生きてあるあらゆるマイナスのなにかを

私に与えた



心は関わりを離れ、愛を見失っていた

閉ざされたのか、閉じたのか

そのどちらなのか、解らなかった

飛び立ちたいという心、

理想の大きいほど


大地の重力に驚愕した


私のなかの人生


そんな日々が、些細なものからの重要なものへと

変化したとき


私は手の届く小さなものを愛した


私はあまりの多くのものを見失っていた、と


求めることをやめたのだ


問うことをやめ、問われるままに生きたのだ


するとね、ほら、ごらん



無力さは

空より伸びる、あの大きな手によって

人生と時間を摘まみあげ、無駄という浪費の概念を与えたが


すべては、そう思い込みたかっただけ、


人生には無駄がなく、すべては必然であったんだよ





無題

無題

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-05-16

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