向日葵みたいに

最近の出来事から。

光を向いて、生きるんだよ。

君の見てるカシオペア、あれは朝になったら消えてしまうだろう。
だから夜はおやすみなさいな。

そう言われて見た夢は、雨粒みたいに透明で、なんだか美しくて泣いてしまった。
誰かに出会った気がする。もう話すこともできない誰か。

本当に付き合いたい人とは付き合えなくて、話すことも出会うこともできなくて、私は憤る。
くっと胸に言葉が詰まって、そのまんま。
言えないことばかり募っていく。言いたいことを貴方は言う。
なんだか損だよ。でも恨んでるわけじゃないんだ。

貴方が、好きだよ、人として。
本当はすごく感謝してる。憧れてる。一緒に連れてってほしい。
でも、無理なんだ。
このままの私では。

たまにね、こう、死にたくなって、切ないよ。
自分の身の上を羨んでる人間ってのが信じられなくて、私がここにくるまで何を犠牲にしたか、知ってるかと詰め寄りたくなる。

くっだらない戯言死ぬほど聞かされて、良いようにされて、今もその途中。
あんたなら耐えられるか。
嫌味言うほどだもんね。変わってみなよ。構わないから。

いつ刺されて死んでも、私は構わないから。その方が箔が着く。
こんな命で良いならば、と言ったらあの人が泣くから、この世に一番いる人が泣くようなら止しましょうとこの話はしない。

あの人は言うのだ。生まれてきてくれて、居てくれてありがとうと、この私に。
だから今も息してる。
あの人は言うのだ。光の中にいるんだよって、私の存在は尊いものなんだよって。私は半分しか信じていないけど。
私の憧れる貴方は私を否定するから、だからあの人の大事な瞬間をいつも聞き逃す。私はなんて馬鹿なんだろう。

だからこれは私から、君へ送る言葉。
下ばかり向くんじゃないよ。君を傷つける人に引き付けられるんじゃないよ。
光を向いているんだよ。離れないでいるんだよ。一度つかんだら、離すな、その瞬間を。

あなたも私も、皆春の陽だまりにいる。
どうしても信じられないなら、駄菓子屋にでも行ってみろ。
懐かしさに溺れるだろう。こんな日もあったんだと思い出すだろう。

この種をあげるから、家に帰って埋めてごらん。
向日葵の種。
育っていくうち、雨に打たれることもあるだろう。虫に食われる日もあるだろう。うっかり踏みつけられる日もあるだろう。
それでも生きていくんだよ。
いつも太陽追っかけて、昼日向に咲くんだよ。
君は夜でもいいかもしれない。月の光もいいだろう。

それでも生きていくんだよ。
この私が言うのだから、生きてみろ、精一杯。
それから生まれた言葉を書いて、書いて、書きまくれ。
世の中に見せつけてやれ。

どうだ、種から花咲いたぞって。
どうしても、どうしても生きていくんだよ。
死ぬのはいつもいきなり来るんだ。君の知らない場所で、ある日突然に。
だから大丈夫。安心して今は生きろ。

じゃあ、おやすみ。

向日葵みたいに

死ねと言われて生きると答える。

向日葵みたいに

励ましの詩

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-05-14

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