御坂妹「御姉様のことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!」

2ちゃんねるのニュース速報VIP板に投下したTVアニメ『とある魔術の禁書目録』のSSです。
増え続ける女キャラクターに危機感を覚えた御坂妹は、キャラチェンジすることを決意する。
御坂妹が行う、ヒロイン争いの生存戦略とは・・・?

SSまとめブログ『ぷん太のニュース』『ホライゾーン』『森のきのこ!』さん等で取り上げていただきました。
http://punpunpun.blog107.fc2.com/blog-entry-2070.html
http://horahorazoon.blog134.fc2.com/blog-entry-921.html
http://morikinoko.com/archives/51665352.html

元スレ(4レス目から)
http://logsoku.com/thread/raicho.2ch.net/news4vip/1296485190/

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 00:09:37.68 ID:iP8QtDnn0

御坂妹「……というわけで、ミサカはお姉さま大好き妹キャラにジョブチェンジすることを報告いたします」

美琴「いやいやいや、というわけで、の意味がわからないんだけど……」

御坂妹「おや、理解いただけませんか、とミサカは首をかしげます」

美琴「うん、わかんない。説明しなさいよ」

御坂妹「だいたい、御坂お姉さまはどう思われますか?」

美琴「なにがよ?」

御坂妹「増えすぎです。あんなにいらないとミサカは思うのです」

美琴「え? なにが?」

御坂妹「やれやれ、これが準メインヒロインの余裕ですかとミサカは毒づきます」

御坂妹「良い御身分ですね。上琴とかいってカップリング最大勢力にあぐらをかいていられる人は」

御坂妹「まあ、最終回であの人とシスターがくっ付いて、お姉さまとその支持者が涙目になるのが今から楽しみです」

美琴「ちょっとちょっと! なんなのよ、さっきから毒を吐き散らしちゃって!」

御坂妹「それだけミサカは、危機感を抱いているのですよ」

美琴「……けど、あんたが言いたいことはなんとなくわかったわ………」

美琴「二期になって女キャラがさらに増えて、あんたの出番や支持が減ってるのが不満ってことよね?」




5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 00:27:52.72 ID:iP8QtDnn0

御坂妹「わかっていただけて嬉しいと、ミサカは感謝いたします」

御坂妹「お姉さまだって、他人事ではないはずですよね?」

美琴「私は別に……」

御坂妹「おや、気にはなりませんか? あの、五和という新登場した少女のことが……」

美琴「うーん……」

御坂妹「気になるでしょう、とミサカはお尋ねします」

美琴「いや、でも、やっぱり“上条当麻の相方は御坂美琴しかいない”って、みんな考えてると思うのよね」

美琴「『鈍感で巻き込まれ体質な少年』と『自分の気持ちに素直になれず突っかかってしまうツンデレ少女』」

美琴「……ほら、これってみんなが好きな王道のカップリングよね」

美琴「それに、ともに学生で同じ街に暮らしてるし、私は戦闘力もあるからバトルでもハブられたりしないし……」

御坂妹「おいおいこの女、自分で自分のことを“ツンデレ”とか言いやがったよ……」

御坂妹「いいですか、お姉さま? 世の中には、お姉さまのようなタイプを嫌う人たちも少なくないのです」

美琴「へ? …………そんなバカな…、ツンデレが嫌いな男なんているわけないでしょ?」

御坂妹「それがいるのです、とミサカはお姉さまの思い違いを正します」

美琴「えぇ? だって、ツンデレよ? ゼロ年代を制したキャラ属性なのよ?」




10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 00:44:15.93 ID:iP8QtDnn0

御坂妹「確かにそうです、ツンデレはラブひなやスクールランブルの時代には最強の人気キャラでした」

御坂妹「それは現在も変わらないと思われます。ツンデレはもっとも人気の得やすい属性でしょう」

御坂妹「ですが…、いつからか――ミサカは涼宮ハルヒが登場したあたりからと思います――安全牌とは言えなくなりました」

美琴「なんでよ? 彼女って一世を風靡した大人気キャラじゃない」

御坂妹「その通りです。……ですが、愛でられると同時に、こういった声も多く見受けられました」

御坂妹「暴力女、うぜぇ……と」

美琴「ちょ、ちょっと待ってよ、彼女や私が振るう暴力は好きの照れ隠しで……」

御坂妹「確かにその通りなのですが、視聴者全てがその行為に萌えてくれるわけではありません」

美琴「つまり、私たちツンデレの振る舞いに憤慨している視聴者もいると……」

御坂妹「理解が早くてなによりです。……そして、ツンデレにはもうひとつ欠点があります」

御坂妹「柊かがみという女性をご存知ですか、とミサカはお尋ねします」

美琴「え、ええ、知ってるけど……」

御坂妹「彼女はどうなりましたか?」

美琴「どうなったって……、もちろん、私と同じツンデレだから人気が出て…………」

御坂妹「はい、しかし、その反面、二次創作で彼女はどんな扱いを受けたでしょうか?」




14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 00:59:49.26 ID:iP8QtDnn0

美琴「…………まさか…」

御坂妹「そうです、虐待されたのです。彼女は、多くの二次創作で……」

美琴「……そんなの…ヒドい………」

御坂妹「虐待の危険は、全てのツンデレキャラに今後付きまとうのではないかとミサカは考えます」

美琴「どうして、そんなヒドいことするのよ!」

御坂妹「先程も申しましたように、お姉さまたちツンデレを快く思わない殿方も多いからでしょう」

御坂妹「現に、軽音部のベースとかこんなに可愛いわけがない妹とか酷い扱いをされてると聞いたことがあります」

美琴「ああ、あの薄い本でね……」

御坂妹「ええ、あの薄い本でです。それに対して……」

美琴「対して…?」

御坂妹「五和さんのような女性はどうでしょうか、とミサカはお姉さまに問いかけます」

美琴「登場して日が浅いってのもあるけど……、確かに嫌われてるって聞いたことないわ…」

御坂妹「そうでしょう、彼女のような一途で健気な少女は嫌われにくいのです。おまけに、黒髪で巨乳でおしぼり…」

御坂妹「最強の攻撃力を持つツンデレに対して、攻守ともにすぐれたのが健気っ娘……とでもいたしましょうか」

御坂妹「どうですか? お姉さまも、最近の女性キャラの増加に少しは危機感を抱いていただけましたでしょうか?」




25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 01:17:18.60 ID:iP8QtDnn0

インデックス「でも、私はツンデレじゃないよね? メインヒロインなのに、どうしてこんな扱いに…?」

美琴「わっ!! あ、あんた、いつからそこに…?」

御坂妹「そうですね、あなたの場合は、まずはマネージャーポジションであることに問題があると思われます」

インデックス「マネージャーポジション? なんなの、それ?」

御坂妹「スポーツ漫画でのマネージャーのようなポジションという意味だとミサカは説明します」

御坂妹「スポーツ漫画は試合や練習描写に重点が置かれるので、マネージャーの女子の描写は薄くなりますよね」

インデックス「でも、禁書目録はスポーツ漫画じゃないんだよ?」

御坂妹「では、お聞きしますが、とある魔術の禁書目録はなにアニメでしょうか…?」

インデックス「それはもちろん、能力バトルアニメで……」

御坂妹「その通り、能力バトルアニメなので、一番描写に労力が割かれるのはバトルシーンです」

御坂妹「けれども、あなたは原則として攻撃能力を要していない。つまり、スポート物のマネージャーと似た立ち位置なのです」

インデックス「そっか、だから出番が少なくて………」

御坂妹「加えて、大飯くらいのタダ飯食い、胸がないからセクシーアピールもできない、気に入らないことがあると噛みつく……」

御坂妹「あなたは、お姉さま以上にマイナスポイントばっかりじゃないですか…」

インデックス「そんなあ…ヒドいんだよ……(orz…」




33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 01:30:12.71 ID:iP8QtDnn0

美琴「つまり、失点のない五和が最強ポジションだと……」

御坂妹「いえ、必ずしもそうとは限らないのではないかとミサカは考えています……」

インデックス「どういうこと…?」

御坂妹「例えば……、神裂火織についてはどうでしょう?」

インデックス「どうでしょうと言われても……」

美琴「彼女って、いちご100%で言えば北の人ポジション……つまりはエロ担当よね?」

インデックス「彼女よりは、主人公と四角関係を築いている私たちのほうが上だと思うんだよ?」

御坂妹「……はたして…そうでしょうか?」

美琴「ど、どういうことよ…?」

御坂妹「確かに、主人公争奪戦においては、彼女は他の3人より遅れを取っていると言えます」

御坂妹「けれど、主人公争奪戦に乗ることだけが、本当にヒロイン争いに勝つことなのでしょうか?」

御坂妹「……いいえ、それは違うのだとミサカは断言します」

御坂妹「ヒロイン争いに勝つこと……、それは、視聴者に強く渇望されるポジションを手にすることなのです」

美琴「な、なるほど……」

インデックス「つまり、その点において彼女は勝ってるってこと…?」




39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 01:49:27.16 ID:iP8QtDnn0

御坂妹「彼女は、上条当麻との距離の取り方が上手いのです。あなたたちほど恋人役争いの渦中にいるわけではない」

御坂妹「ですので、美琴派 vs インデックス派のような泥沼の争いに巻き込まれることもない」

御坂妹「加えて、“かおりさんじゅうはっさい”というイジられやすいネタも持っている」

御坂妹「さらに重要なのは、神裂火織が巨乳であることなのだとミサカは力説します」

インデックス「巨乳だから…? 確かに、私たちは2人とも胸のないキャラで差別化できてるけど……」

美琴「でも、巨乳なら他にもいるじゃない、ほら、オリアナとか、オルソラとか、固法先輩とか……」

御坂妹「確かに存在します。ですが、神裂火織には彼女ら3人にはない利点がある」

インデックス「あ、わかったよ! とうまとの接点だね!!」

御坂妹「そうです、オリアナと固法先輩は上条当麻との接点が現時点では薄い。主人公と絡みがないと人気も取りにくいです」

美琴「でもさ…、あのオルソラって巨乳シスターはアイツと仲良さそうじゃない?」

御坂妹「その通りです。けれども、神裂火織にあってオルソラ=アクィナスにないものがある。……恥じらいです」

インデックス「恥じ…らい……?」

御坂妹「ええ、主人公とのあはんうふんを想像したり創作するときに、女性に恥じらいの描写を求める男性は多いのです」

御坂妹「こんな…恥ずかしい……、でも、体が反応しちゃう(ビクビク…)、…的な」

御坂妹「しかし、オルソラのような天然エロシスターだと、そういった部分を作りにくいのではないかとミサカは考えます」




43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 02:05:44.97 ID:iP8QtDnn0

御坂妹「まあ、どエロ全快なキャラに淫乱に迫られたいという男性もやはり多いのでしょう」

御坂妹「ここは意見が分かれるところだとは思いますが……」

インデックス「むむむ…、なるほど……」

美琴「つまり、巨乳でエッチな格好のキャラなら独自のポジションが得られるわけね?」

御坂妹「なにも、そればかりがポジションを確立する方法ではありません」

御坂妹「そう、例えば吹寄制理…。彼女も、上条当麻の近くにいながら独自のポジを得たキャラ」

御坂妹「コロンブスの卵的な発想、つまり、あえて主人公にデレないことによって立ち位置を掴んだキャラです」

インデックス「とうまの近くにいるのに、とうまにデレない…そんな戦い方もあるなんて……」

御坂妹「そしてもう一人、姫神秋沙です」

美琴「……え?」

インデックス「だ、だって、あいさは……」

御坂妹「確かに彼女は、上条当麻争奪戦から早々に抜けたヒロインです……」

御坂妹「けれども、別室にて指環を得たカイジよろしく、落ちた後に得られるポジションもあるのです」

御坂妹「そう、目立たなさをネタにできるという、紅い紅茶好きのドールのような独自のポジションが」

美琴「まさに、死地に活路を見出したってわけね……」




45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 02:25:45.12 ID:iP8QtDnn0

御坂妹「これまではキャラクター1人についてのみ述べてきましたが、他にもポジを得る方法はあります」

インデックス「なになに?」

御坂妹「それは、女の子4人組のセットプロモーション方式です、とミサカは説明します」

御坂妹「1人1人は小さな火だが、2つ合わせれば炎となる、炎となったうんたらは無敵だ…的な」

美琴「えっと…、女の子4人組っていうと、もしかして私たちのことかしら?」

御坂妹「はい、お姉さま・白井黒子・初春飾利・佐天涙子の4人組のことです」

御坂妹「お姉さまと白井黒子はともかく、初春飾利と佐天涙子は単品ではこれほどの人気は出なかったでしょう」

御坂妹「けれども、4人が1つとなることで、炎よりもさらに大きな人気を手に入れた」

インデックス「なるほど……」

御坂妹「特に、躍進目覚ましいのが佐天涙子……彼女は無能力者というスペックが良い方向に働きました」

御坂妹「二次創作でやたらヘンテコな能力を付与されたり、レベル0をネタにいじられたり、逆にお姉さまをいじめたり…」

インデックス「美味しいポジションなんだよ……」

美琴「原作漫画では、そこまで良い役でもなかったのにね…」

御坂妹「まあ、初春飾利とコンビを組んでしまった悲劇か、カオスなAAを作られまくるという弊害もありますが…」

インデックス「おお、ハワイアン…………」




47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 02:52:00.42 ID:iP8QtDnn0

御坂妹「それと、四人組といえば、もうワンセット……、アイテムがいます」

美琴「ああ、でも、1人抜けたけどね……」

インデックス「彼女には成仏してほしいんだよ」

美琴「……ってことはさ、私たち4人やアイテムが最強ってこと…?」

御坂妹「違います。確かに、4人組の安定感は非常に強いことは確かです」

インデックス「だったら……」

御坂妹「けれどもです、世の中には、女の子4人組が活躍というだけで猛然と叩く人たちもいる」

御坂妹「つまり、安定はしていても、ただ集団というだけで嫌われてしまう可能性もあるでしょう」

美琴「じゃあさ、結局は、誰が一番良いポジションなわけよ?」

インデックス「私たちじゃないんだよね?」

御坂妹「ベストポジションとは何か…、とミサカは思索します。その結論は……」

御坂妹「例えば、同性のセット売り出しのような偏見を招きかねない立場ではなく」

御坂妹「お姉さまやインデックスのように、恋人ポジを奪い合い、ファン同士が罵り合いをしたりせず」

御坂妹「没個性でなく確固としたポジションを持っている……」

御坂妹「それは、……打ち止めです」




51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 03:18:19.78 ID:iP8QtDnn0

美琴「打ち止めが…最強……?」

インデックス「なんだか少し、納得できないかも……」

御坂妹「だって、そうではありませんか…。彼女は、禁書の人気最上位キャラ“一方通行”の相方…」

御坂妹「しかも、上条当麻や浜面仕上の恋愛役と異なり、カップリングは常に彼女一人で固定」

御坂妹「醜い恋人ポジ争いを繰り広げる必要もなく、かつ、物語の上でもかなり重要な役にあり…」

御坂妹「喋り方も特徴的、ロリっ子という最大の特徴を持っているので二次創作でも重宝される」

御坂妹「彼女以上に恵まれた禁書キャラはいない、とミサカは力説します……」

インデックス「うーん……」

美琴「言われてみればそう…かなあ……」

御坂妹「ちなみに、ミサカは次点に白井黒子を押します」

御坂妹「恋人ポジションを繰り広げる必要が打ち止め同様に存在せず、恋愛相手も固定」

御坂妹「百合娘というアドバンテージがあり、戦闘でも活躍でき、外伝での準主役……」

御坂妹「どうでしょうか、打ち止めと同じく、かなりの好ポジションです……」

御坂妹「ただ、同性愛はノーマルに人気がやや劣ると考え次点にしました」

美琴「ロリとの恋愛がノーマルっていうのには異論があるけど……まあ、同意…かな」




53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 03:34:23.04 ID:iP8QtDnn0

御坂妹「対する私の立ち位置はどうでしょうか、とミサカは自問します」

御坂妹「思い返してみると、Ⅰ期ではメインエピソードが存在したけれども…」

御坂妹「Ⅱ期では、5・6話でちょびっと出番があった程度でした」

御坂妹「これからも上条当麻とフラグを立てる女性は増えていくと予想されます」

御坂妹「となれば、女性キャラクターの生き残り競争は熾烈を極めることは必至……」

御坂妹「せいぜい、レイプ目+無感情+縞パン程度の個性しかないミサカは危機感を持ち…」

御坂妹「……というわけで、ミサカはお姉さま大好き妹キャラにジョブチェンジすることを報告いたします」

美琴「…………ここで最初に戻るんだ…長い説明だったわね」

御坂妹「ミサカはお姉さまに、ご清聴していただいたことを感謝いたします」

インデックス「私以外のキャラクターもいろいろと苦労しているのかも…」

御坂妹「そうです、大変なのはあなただけではないのです。誰にも、空気化の恐れはある……」

御坂妹「……それで、お姉さまに許可を頂きたいのですが……」

美琴「うーん、そうねえ……」

美琴「ま、協力してあげるわ。これでも、あんたのオリジナルなわけだしね」

御坂妹「感謝します。」




86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 22:12:43.64 ID:iP8QtDnn0

御坂妹「それでです、ミサカは自分自身をどんな妹キャラに設定するのかを検討いたしたいのですが……」

美琴「どんなって……、妹キャラにどんなもこんなもないじゃない…?」

御坂妹「お姉さま、いったいなんてことをおっしゃるのですか、とミサカは憤慨します」

御坂妹「今の発言は、全国30万人の妹キャラ好きを敵に回しましたよ」

美琴「敵に回したって……、所詮、妹キャラでしょ? そんなに幅があるわけが……」


土御門「甘い!! お前という人間は、妹属性の多様さというものをまったくわかってないぜよ!!」

美琴「わっ!! びっくりした!! なによあんた? どっから湧いて出たわけ?」

土御門「いいか、よく聞け、今からお前に妹についてみっちりレクチャーしてやるんだにゃー」

美琴「レクチャーって大げさな……、だって、『お兄ちゃーん』って甘い声を出してればいいだけの……」

土御門「シャラップ!! 妹を舐めてるんじゃねえ!!!」

美琴「!!!」

土御門「これは、鬼軍曹・元春が徹底的に叩きこんでやらねばならぬようだ……」

美琴「は、はあ……」

インデックス「この人、なんだか恐いんだよ………」

土御門「さてと…、まずは、妹には大きく分けて2通りいることから始めようか」




87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 22:25:10.59 ID:iP8QtDnn0

美琴「2通り……?」

土御門「そう、お兄ちゃんが大好きなことを直情的に表現してくる妹と……」

土御門「お兄ちゃんが大好きだが、それを直接表に出すのを避けている妹の2通りだ」

インデックス「ねえねえ、お兄ちゃんのことが大嫌いな妹はいないの…?」

御坂妹「兄のことを、ゴミ虫を見るような目で見る妹というのもありうるのではないかとミサカは思いますが……」

土御門「うーん、まあ、確かにそういうのが好物の男もいるにはいるんだろうが……」

土御門「とりあえず、今回はそれは例外ということにしとくぜよ! ニーズもなさそうだしな」

土御門「……でだ、とにかく上に挙げた2通りがいるわけだが…、ご理解いただけたかにゃ?」

美琴「はあ…? 意味わかんないわよ、どっちにしろ、好きなんでしょ?」

土御門「まったく、頭の悪い娘だぜよ……。本当にそれで、レベル5なのかにゃ?」

美琴「な、なんですって!!」

土御門「言葉で説明してもわかんないってなら、ここは実際にやってみるか……頼む、欠陥電気」

御坂妹「わかりました、とミサカは了承します」

御坂妹「それでは、2つの違いを演じてみますので、お姉さまはなにも言わずにそこで立っていてください」

美琴「う、うん………」




90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 22:45:41.35 ID:iP8QtDnn0

御坂妹「それでは、やらせていただきます……まずは、前者…」

 御坂妹「……お姉ちゃん大好き、ミサカとゲームして遊ぼ!!!」

美琴「う、うん…、普通ね。……それで?」

土御門「それでは、後者を頼む」

 御坂妹「……ミサカはお姉ちゃんのことなんかちっとも好きじゃないんだからね!!」

 御坂妹「でも、それだと友達がいないお姉ちゃんが可哀想だから、仕方なく構ってあげるわ」

 御坂妹「か、感謝しなさいよね!! ほら、退屈しのぎにゲームに付き合いなさい!!」

土御門「……………………」

土御門「……という具合なんだが…わかったかにゃ?」

美琴「えっと、後者はつまり、暇潰しに私とゲームしたいだけよね?」

土御門「ち・が・うっつーの!! なぁ~んで、わっかんないかにゃー」

土御門「この2人は、欲求は同じだ、共に2人はお姉ちゃんとゲームして遊びたいんだぜぃ」

美琴「でも、後者のほうは好きじゃないって……」

土御門「だから、そこはツンデレってやつだぜよ、君と同じでな」

美琴「はあ…、なるほどなるほど、つまりは、ツンデレ兼務が妹のメインストリームとして台頭してるわけね」




93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 23:11:39.99 ID:iP8QtDnn0

土御門「まあ、そういうこと。妹キャラか、妹キャラにツンデレを+αするかの2通りなんだにゃー」

美琴「ふーん、でもさ、結局は2通りなわけでしょ? たったそれだけじゃ多様とは……」

インデックス「私も、ビリビリと同じ疑問を持ったんだよ」

土御門「なるほどなるほど、では、これも実際に見てもらおうか……」

御坂妹「わかりましたと、ミサカはその要望を聞き入れます」

御坂妹「では……」

 御坂妹「お姉ちゃん、ゲームしよ!! ゲームしてくれるまで、お兄ちゃんを解放しないから!!!」

 御坂妹「ミサカはお姉ちゃんとゲームしたいけど、……お姉ちゃんは迷惑だよね、ごめんね、お姉ちゃん」

御坂妹「どうでしょうか……?」

美琴「ああ、そっか、積極的か消極的かで差を出してるわけね」

土御門「そういうこと。さらに、こんな応用系もある」

 御坂妹「ねえ、お姉ちゃんはどうしてミサカとゲームしてくれないの……?」

 御坂妹「そっか、白井さんとゲームしてきたから、もう飽きてミサカとはゲーム出来ないんだね………」

 御坂妹「白井さんのやつ、ミサカのお姉ちゃんを……」

 御坂妹「許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許」




96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 23:25:47.65 ID:iP8QtDnn0
美琴「え、なにこれ……」

インデックス「こ、怖いんだよ………」

御坂妹「怖がらせてしまいましたか、とミサカは非礼をお詫びいたします」

土御門「これは、キモウトという妹系の比較的新しいジャンルなんだぜぃ」

インデックス「ええ…、こんなのを愛好してる人って本当にいるのかな?」

土御門「うーん、どうなんだろうかにゃ……?」

土御門「どちらかといえば、ヤンデレやメンヘルの派生として好きな人のほうが多い印象かな?」

土御門「もしかしたら、妹好きとは層が異なるかもしれんぜよ」

美琴「それで、他にはどんなのが?」

土御門「他か…、そうだなあ……」

土御門「お、そうだ、あれがあった……、というわけで、お願いするぜぃ」

御坂妹「承りました……」

 御坂妹「こ、こんなところにお姉ちゃんのパンツが!!」

 御坂妹「い、今はお姉ちゃんいないし、だ、誰も見てないよね……」

 御坂妹「お、お姉ちゃん………(クンカクンカ…」




98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 00:02:02.98 ID:056u2pUU0

美琴「……これは、キモウトとは違うの?」

土御門「うーん、どうだろう、要するに、愛情が暴力に向かうか変態行為に向かうかの違いなんだが…」

土御門「そうそう、もう1つ、人気のある妹を忘れていたぜよ」

 御坂妹「お姉ちゃん、ハンカチ持った? ティッシュ持った? 車にはねられないように気をつけてね」

 御坂妹「うーん、お姉ちゃんのことが心配だよぅ……」

 御坂妹「お姉ちゃん、怪我しないでちゃんと学校に行けるかなあ…、はらはら……」

インデックス「え、なにこれ? なんか、すっごく変なんだよ?」

美琴「普通さ、年上が年下のことを心配するんじゃないの?」

御坂妹「確かに、お姉さまのおっしゃる通りです。ですが……」

土御門「そこを、あえて逆にしたのが、この心配性な妹タイプなんだにゃー」

インデックス「…………はぁ…、なんだか、ディープな世界なんだよ……」

美琴「ま、種類が多様なのは理解出来たわ。それで…どうするの?」

御坂妹「そうでした、ミサカは自分の妹属性について迷っていたのでした……」

土御門「まあ、舞夏以上の妹キャラはいないんだけどにゃー」

美琴「ねえ、私、思ったんだけどさ。どれか1つに絞るんじゃなくて…………」




100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 00:11:34.20 ID:056u2pUU0

  学生寮・上条当麻のアパート――――

上条「ふっふっふ、ふっふっふ、ふっふっふ~ん! ふっふっふ、ふっふっふ、ふっふっふ~ん!」

上条「いやあ、インデックスが出かけてると、静かで掃除が捗りますなぁーっと」


  ガラガラ ――――

インデックス「お兄ちゃん!」

上条「お、おわ! インデックス、お前、どこから現れて……」

インデックス「もう、お兄ちゃん、お腹減ったんだよ、お兄ちゃんの作るご飯が食べたいんだよ!!」


  ガラガラ ――――

美琴「お兄ぃ!」

上条「み、御坂!! お前もどっから現れて……」

美琴「勝負よ、今日こそ決着付けて、お兄ぃと私、どっちが強いかはっきりさせるんだから!!」


  ガラガラ ――――

御坂妹「お兄様、お掃除は妹のミサカがしますので、お兄様はゆっくり休んでいてくださいませ」

上条「え、ええぇ!!?」




103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 00:20:12.28 ID:056u2pUU0

  ガラガラ ――――

五和「お、お兄さん、おしぼりをお持ちいたしました!!」


  ガラガラ ――――

姫神「お兄君。とくに言うことはない」


  ガラガラ ――――

オルソラ「お兄様、なんなりと私にお申しつけてくれてもよいのでございますよ」


  ガラガラ ――――

アニェーゼ「お前のことをにぃにぃだと認めたくないが、まあ妹になってやるですよ!」


  ガラガラ ――――

小萌「まったく、ダメなお兄ちゃんなのですね。妹としては、怒りますですよ!!」


  ガラガラ ――――

神裂「お兄様、なにか困ったことがありましたら、なんなりとご用命を……」




106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 00:29:03.05 ID:056u2pUU0

上条「あ、あの……みなさんいったい、どうなさってしまったのでしょうか……」


  ガラガラ ――――

土御門「ははは、驚いたかにゃ、カミやん?」

上条「つ、土御門……、これは、また魔術師がなにかやらかしたってことか…?」

土御門「いんや、これは、みんなの頼みを聞いて俺が教育したんだぜぃ」

上条「はあ……? 教育………?」

土御門「ああ、そうだ」

五和「あのですね、私たち、気付いたんです」

インデックス「みんな立場がバラバラだから、とうまお兄ちゃんを奪い合って争わなきゃならない」

神裂「だとすれば……」

御坂妹「私たち全員が当麻お兄様の妹というポジションになれば、争いなどしなくて済むのではないでしょうか?」

美琴「そういうわけで、みんなまとめてよろしくね、当麻お兄ちゃん!」

上条「………ふ、不幸だああああああああああ!!!!?」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
御坂妹「……ミサカはおしまいを宣言します」 ‐End‐

御坂妹「御姉様のことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!」

御坂妹「御姉様のことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!」

2ちゃんねるのニュース速報VIP板に投下したTVアニメ『とある魔術の禁書目録』のSSです。 増え続ける女キャラクターに危機感を覚えた御坂妹は、キャラチェンジすることを決意する。 御坂妹が行う、ヒロイン争いの生存戦略とは・・・?

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-05-26

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自由に複製、改変・翻案、配布することが出来ます。

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