涙雨

静かに降り続く雨
公園のブランコに独りきり

長い髪が濡れて頬に張り付いている
ピクリともしない彼女

月明かりは雨雲のカーテンで遮られ
表情を見ることはできないけれど

濡れているのは雨のせいだけではないよね?
その涙は誰のために流しているの?

雨が降り続く間は好きなだけ泣いたらいい
君の涙を誰にも邪魔させはしないから

僕が悲しみも全て引き受ける
そのために今この一瞬を守るよ

だから…

いつか僕のために零れそうな笑顔を見せて
それだけで永遠に続く悲しみの終焉に手が届くよ

涙雨

涙雨

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-05-11

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