イン・ザ・サイダー

時々思ってしまうのです
このわたしのまだちいさな恋心
あなたに突き返されるくらいなら
サイダーの中に沈めてしまって
泡と共にはじけてゆくのを
じっと見つめて泣きたいと

ゆっくり溶けて消えたなら
このわたしが飲み干して
誰も知らないうちに隠してしまいたいと
そうして口の中に残ったサイダーは
少し涙の味がするのです

だけれどもし
あなたがその手で
受け止めてくださるなら
その綺麗な瞳に
このわたしを映してくださるのなら

わたしはきっと
お空も飛べてしまうのです

イン・ザ・サイダー

イン・ザ・サイダー

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-05-07

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