死街
この街は死んだ!
子は親を選べない、と云うが、それは街も同じなのだ。勝手に住み着かれ、飽きたら捨てられる。
かつては愚かな人間どもに愛されたおまえも、みなに出て行かれては死んだも同然なのだ!
あぁ、哀れな街よ!地を掘り返され、埋められ、木々は手折られ、美しき緑の大地はすっかり失われた!
もうおまえが寵愛を受けることはないだろう。色を失った街、曇天の街、灰の街。そんなおまえを愛す者などもういない!
おまえを輝かそうと躍起になっていた者も、それを待てずしてここを去った奴らを見て、同じようにおまえを捨てた。
あぁ、哀れな街よ!おまえは死んだのだ!
おまえに命を吹き込む者はもういない!さぁ、ここで息を引き取るのだ!
これがおまえを好き勝手した愚者が導いたおまえの末路だ。
皮肉なことに、最後に寵愛を受けるのは、その愚者らを生み出した青き大地、すなわちかつてのおまえなのである。
お気の毒なこって!
そして愚かなおまえらは、この先せいぜい苦しむんだな!さらば聖者よ!
死街