GAME OF SENGOKU
現在よりだいぶ未来、
あるゲーム会社が開発した新PC online ゲーム「GAME OF SENGOKU」、それは15世紀末に起こった『早雲の小田原城攻略』を皮切りに、群雄割拠した、日本の戦国時代を舞台に主人公はそこに生きる一人として生き延びていき、おおよそ一世紀近くの時代を傍観者、当事者となって当時の生活を楽しもうというものだったが、人気振るわず、開始から数か月で停止した、という謎の多いゲームだった。
制作会社も倒産し、このゲームも闇に葬られた...はずだったが。
序章 [崩れ落ちる中で]
1582.6.2.JAPAN.Kyoto.本能寺
戦国時代を終焉に導いてきた一人の群雄は、猛火が盛る中で扇子を広げ舞を踊っていた。
彼の名は『織田 信長』、後に日本では魔王と呼ばれた男である。
信長「人間五十年 下天のうちを比ぶれば...」
ォォオ...ォオオ...
外では、襲撃してきた奴らの鬨(かちどき)が聞こえてくる。
信長「一度生を享け滅せぬもののあるべきか...クク、クハハハ…儂が滅ぶか、これも一興、面白いな。」
信長は風前の灯である、己自身を鑑みて自虐気味に笑う。その顔には無念という表情はなく、むしろ晴れ晴れとしていた。
??「ずいぶんすっきりしたな信長。まあこの猛火じゃ、あんたの骨も残らんだろうしな。光秀の決死の決断も水の泡ってやつだね。」
そう言って信長を笑うのは上半身裸で下は南蛮風の衣服という場違いな格好をした男である。
??「すまんかったな信長、結局未来は変えらんなかった。」
そう言って男は、火焔が舞う本能寺から消えた。
文字通り煙のように…
GAME OVER
現実世界1:〔戻るプロローグ〕
2XXX.XX.xx.JAPAN.TOKYO.
GAME OVER
そこで俺は、その文字を確認すると開いていたノートパソコンを閉じた。
??「また駄目だった。なんでこんなに難しいんだよこの『GAME OF SENGOKU』、昔のゲームってみんなこんなに難易度高いのかな。でも一度はエンディングを見ないと気が済まない。」
ちなみに俺が今住んでいるのはかつて、このゲームを開発したものの21世紀初頭に起きた大不況のあおりを受け、つぶれた某企業の東京本社跡地の廃ビルである。
ここには16歳の頃からここに住んでいる。
ちなみに現在の俺が住む日本の現状と、国際情勢を軽く紹介しよう。日本は数年前に『東京』と『大阪』の間で起きた通称『維新革命』というちょっとしたクーデターにより首都の機能を近畿地方に移していた。
かつての政治と経済の中枢であった東京は、『西京軍』を名乗る武装グループによって『東京都』、特に旧23区エリアの新宿より東はその大半が都市としての機能を失った。
ゆえに、日本政府(最も既に政権は西京軍にほぼ掌握されているが)は皇居となっていた旧江戸城が制圧されたのとほぼ同時に東京を放棄し『京都』に対国内用の政府を、『大阪』に対外用の政府を移転させた。経済的にも東京に本社を置いていた主たる企業などが一時的には海外へ離脱したものの現在では、IT企業や医療メーカーを中心に西日本に集中して戻ってきている。
まあ国内情勢はそのくらいにして世界を見てみよう。
世界では、超大国と言われた米国をはじめとする、欧米諸国の一部が債務不良による財政破綻という前代未聞の事態が発生し、この騒動も日本における革命の発端となった。また、原油の主要産地である中東地域と南アジアの一部(イスラム勢力)と希少金属の大半を所有し、米国の破綻によって名実ともに世界経済トップになった中国とインド(新大国)とその同盟国による『第3次世界大戦』が21世紀末に勃発。近隣国であった北アフリカ諸国や欧州は中東地域を支援し、戦場となったのは陸では中央アジアは勿論、インド本土まで。海上ではアラビア海、紅海を中心に繰り広げられた。また、米国やロシア、日本や東南アジア地域は開戦当初から中立を掲げ戦火に舞われずに済んだ。
20年近く繰り広げられた戦争は、長期にわたる戦争での疲弊による中国各地で起きた内乱や、により収束し、此れによってインド単独での戦争続行はできずインド政府は中立国のタイ『バンコク』にて戦争参加国は講和条約を結んだ。
その講和条約の中には核兵器の廃絶についての内容や、戦車をはじめとする陸上兵器の削減についても明記された。
この戦争では核兵器を所有する国が多く、戦略核の使用が危ぶまれたが、核戦争にならずに良かったと今になって思っている。
戦後、中国は内乱により、首都をはじめとする主要都市が壊滅し、国内にいた少数民族たちの独立や旧派閥による国土分裂により、空中分解し、インドは中央アジア復興をスローガンに、中東以東の国家とともに経済共同体を作った。
東アジアも同様に、日本と旧ASEANを中心におもに中国地域の戦後処理を中心に、東アジア連合を結成し世界は徐々に一つになっている。
まあ世界についてはこんなとこだな。
つぎは俺について話そうか。
俺の名前は...まあいっか。どうせ珍しい名前でもないし、呼ぶ奴なんて周りにはいないしな。というより俺の周りに人なんて住んでないし。
さっき廃ビルに住んでるって言ったけど周りは、西京軍によって破壊されたがれきの山で埋もれている。
なぜこのビルだけ無事なのかは、よくわからない。強いて言うなら、このビルの三階から下は破壊する必要がなかったのだろう。
そのおかげで俺はこのビルに住み続けられるんだけどね。
ほかには…特にないか。んじゃあ、次は『西京軍』について話そう。
『西京軍』の正式名称は『西京都革命軍』、その名の通り東の京都と書く『東京都』に対して近畿にある『京都』に首都を戻そうっていう大義を掲げる、よくよく考えるといろいろおかしい私設武装集団だ。
日本も21世紀半ばに再軍備を行い、軍隊があったが、戦後社会の条約に調印し戦略兵器の大部分を破却し、現在の白兵武器といえるのは小銃が基本となっている。
『西京軍』も、御多分にもれず、現在は左胸に小銃を携帯し、左の腰には高電圧を帯びた特殊警棒を装備していた。
連中は、主に日本の軍内部における過激派が多く、危険な連中だったが別の事件で重要視され、野放しにされた奴らだ。
そんな『西京軍』が、なぜここまで短期間で日本を制圧できたのかはわかっていない。日本全体でこの内容に関しては徹底的な情報規制が強く、一部の情報のみ公開されている。
その内容とは、
「我々は既にに存在していた現在から、ある方法で過去へ渡り未来を改変した。」というとても現実的には信じられないと思った内容だった。
実際、この話を信じる者は皆無に等しい。
なぜならもしそれを可能にしたというならば彼らは『時間』という全生命にとって平等に与えられた存在を人為的に操ったことになるからである。
※すいませんがこの小説は更新していません。
というよりもこのサイトでの小説更新はこれ以降しないと思います。
別の小説投稿サイトにて連載の続きを掲載しております。
そちらをよろしくお願いします。
サイト名『小説を読もう!』
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