花言葉~あなたに贈るその花の意味は~
花が大好きな高校3年生下桐 美乃里。優しく大人しいクラスの人気者。
彼女は今年最後の高校生活に同級生へ花を贈る事にした。
―花ならどんな思いが込められてるかわからないもんね―
彼女が同級生に贈る花の意味は・・・
物語の始まり
今日から三学期が始まる。桜蘭学園(おうらんがくえん)に通う下桐 美乃里(しもぎりみのり)は始業式の長い長い校長先生の話を真面目に聞いている。周りの生徒はお喋りをしたり寝たりしている。スマホをいじっている人もちらほら見える。真面目に聞いている人は少ない。校長先生の長い話が終わり始業式が終わって教室に戻ると下桐 美乃里の机の周りには沢山の生徒が集まる。
「美乃里ちゃん進路どうするのー?」
「とりあえずお花屋さんでバイトしながら進学かな。」
彼女の話を聞いた生徒たちはもう決まってるんだーとか凄いとか言っている。
もう決まってて普通なんだけどな・・・
彼女はクラスメイト将来をの心配をする。休み時間が終わり先生が教室に入ってくる。先生が教室に入ってきて全員が座るのにこの学年は時間がかかる。とくにこのクラス3-Dは特に時間がかかる。この学校はお世辞でも優秀とは言えない。中学校でまともだった人もこの高校に入るとだらけてしまったり成績が落ちてしまったりする。真面目な生徒や成績のいい生徒は彼女を含めて少数しかいない。今日は3時間授業でいつもよりずっと早く帰る。電車に揺られながら彼女はさっきクラスメイトが話していた事を思い出す。
プレゼント・・・なにあげたらいいかな・・・
彼女のクラスメイトは卒業するからなにかプレゼントをしたいというのだ。彼女は電車の窓から見える風景を見ながら考える。結局家に帰っても思いつかなかった彼女はリビングから庭に続く窓を椅子に座って眺める。庭には彼女の好きな花が沢山植えられている。
今日はとてもいい天気。お花さんたちも嬉しそう。
「あっ!!お花にしよう!!」
お花ならその人にあったお花があげれるね。どんな意味でも誰も花言葉なんて意識しないよね?
彼女はクラスメイトに贈るプレゼントを花に決めたそうだ。彼女は自分の部屋からラッピングをする道具を持ってきて自分の庭に咲いている花から小さな白い花を鋏で切る。彼女は黄色ラッピング用紙でその花をラッピングする。
オーニソガラム。花言葉は純粋。この花はあの子にぴったり。
彼女は窓からさす日光にその花を照らす。これがこの物語の始まり。
オーニソガラム~純粋~
次の日彼女は彼内容に保管していたオーニソガラムをもって学校に行く。電車に揺られて一時間のところに桜蘭学園はある。学校について教室に行って荷物を置くと花をもって3-A組に行く。美乃里は教室の前で会った女子生徒に声をかける。
「あ、おはよう。李莉乃いる?」
「おはよー李莉乃ならあそこにいるよ。呼んでくるね。」
「ありがとう。」
女子生徒に呼ばれた葛西 李莉乃(かさいりりの)はこちらに気付いてニコニコしながら駆け足でこちらに向かってくる。彼女は美乃里の幼馴染で小さなころから一緒にいる親友だ。
「おはよー美乃里ーどうしたの??」
「おはよう。あのね今年で学校最後だからお友達にプレゼントをするってお話し知ってる?」
「うん!!知ってるよ!李莉乃はみんなに手作りのストラップあげるんだ!みんな大切なお友達だから!」
あいかわらず純粋な子・・・全く穢れがない・・・小さなころから一緒にいるけど人の悪口なんて聞いたことない・・・
美乃里は後ろに隠していたオーニソガラムの花を胸元で抱く。
「私はお花をあげようと思って。最初に親友の李莉乃に・・・」
「わーい!!美乃里のお花大好きだよ!!」
「よかった。このお花の名前はオーニソガラムっていうのユリ科のお花。李莉乃に似合うと思うの。大切にしてあげて。」
「うん!ありがとう!!」
美乃里は李莉乃に花を渡す。李莉乃は嬉しそうにその花を抱く。その花は彼女の黒っぽい肌によく似合っている。
李莉乃はいつか絶対に失敗する・・・今のままじゃ将来誰かに裏切られても騙されても人を恨まない。私がなんとかしなきゃね・・・
美乃里は李莉乃と少し話をして自分の教室に戻る。これから李莉乃をどうやって汚すか考えながら。
花言葉~あなたに贈るその花の意味は~