プリテンダー


偽善だと思うことは山のようにある
これは自分を好意的に思ってもらいたいだけだと

見渡せば そこかしこに漂うその香り
いつも いつまでも 違和感を持ち迫ってくる
本当にいいのか と問うことさえそれは許さない

けれど

その行為からその成分を捨てて渡された時
僕達はその重さに耐えられるのだろうか

本当の善の重さは他人には
一生かけても解れない
だからこそ偽善は時として軽く そして
受け入れられるための包装紙なのではないだろうか

電話越しのそのつたない愛情に一瞬心へ平和が訪れる
それの重さを手で確かめる

持ちやすいそれは痛いほど心地よく 
嗅いだ香りは少しだけ甘い匂いがした

プリテンダー

プリテンダー

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-04-22

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