流星



僕の隣には僕に少し似た誰かが座っている
僕たちは空を見上げながら 取り留めない話を続けた
「君はどうして生まれてきたの」
彼は僕に 静かで 穏やかで 心落ち着かせる声音で尋ねてきた
僕は満天の星空に変わった空で星座を数えながら瞬きしている
彼に言うべき言葉は何なのだろうと
心はそっと僕達の更に隣に流れ着き輝く明日を暗示する
その場に寝転んで笑う 「何でだろうね」彼も笑った
幾つもの光景を通り過ぎて来て 今 こうして僕達が思っているものは
何かの比喩でもなんでもなく 明日に続いていると信じていた
信じたい だけなんだろうけど


ぱんぱんと腰を叩き
彼は「そろそろ行くよ」と歩いて行く
彼の行く先が彼の少しズレた明日のような何かだった事を
僕はもう 気付いていた
少し ほんの少し振り向き 彼は言った
「君になれなかった僕が 君を羨ましく思っている事を 忘れないで」
僕はまた空を見上げた 星が一つ流れ落ちる
流星に似た何かを  僕の頬に走らせながら

流星

流星

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-04-22

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