泣き虫革命
プロローグ
こどもの頃は、未来の自分にまっすぐな希望を持っていた。
内気で泣き虫で、いじめられっこな自分が昔から大嫌いだった。それでも、どんなに自己嫌悪に陥っても、未来に希望を持つことだけはやめなかった。
大丈夫、おおきくなったら、明るくてすてきなひとになれる。自然に泣き虫も直って、いじめられることもきっとなくなる・・・そう、心から信じていた。
でも、そんなことなかった。
小学、中学と上がり、そして高校生になっても、全然何も変わらない。変われない。相変わらず自分の意志をしっかり伝えることはできないし、よく涙はこぼれてしまうし、いじめられることはもうなくなったけれど、おそらく使いやすい奴だと思われていることだろう。
そうして僕は、馬鹿みたいに前を見ることをやめた。納得して、受けとめた。僕はずうっとこのままで、変わることはもうできないのだ。そんな考えこそ馬鹿みたいだと思うひともいるだろう。でも、こんな自分になってしまうのは運命だったのだ。・・・そんなことを思うしかないほど、重症ということである。
もう、きらきらした毎日なんて期待しない。
高校生活は、目立たず、無難に、人に迷惑をかけないように。
最初から期待していなければ、苦しいほどの幻滅はやってこないのだから。
ーーーーーそう、おもっていたのだけれど。
泣き虫革命