花の想い 第一章「雨降り」

雨降りの日に一人の少年と出会います。

次の日は雨が降った。
雨は好きだ。花にとって水は生きていくのに欠かせないもの。
最近は全然降っていなかったから、冷たい雨の水が花びら(頬)に当たって気持ちい。
そんな気分に慕っている時だった。
「あー雨ひどいなぁ。はぁ・・もういいや、今日学校休もう。どうせいつもの事だし」
いつの間にいたのか、人間がそこに立っていた。
意外だな。このへんはあまり人気のないところだから来るとしてもいつもの顔ばかりなのに。
「はぁ。にしても休むつもりなら急がないで傘もってくるんだったなー。びしょ濡れだ。」
彼は独り言を呟いている。
変な人だなぁ。
人間はみんなこうなのだろうか?
「仕方ないな。雨が止むまでこのへんで雨宿りでもするか・・・。」
そう言って彼はある屋根の下で座り込んだ。
目の前に座る彼はそっとため息をつきながらまだ独り言を言っている。
その時だった。
(・・・・え?)
・・・・・・・・彼と目があった。
いや、向こうにとっては目が合うことはないんだろうけど・・・。
彼は雨に濡れているのにも関わらず、少し近づいてじっと、私を見ていた。
「きれいだ。」
(・・・・・・!)
突然の一言に私は驚いた。
こんな見向きもされないような場所で、誰にも愛されたことのない雑草の私を、彼は綺麗だと言った。
独り言ばかり言ってる変な人だと思っていたがそうではなかったようだ。
「・・・・不思議だな。どうして君みたいな綺麗な花がこんな地味なところに咲いて雑草なんて呼ばれているのか。僕には分からないよ。」
また独り言だ。私雑草なのに君って呼んだりして。
・・・・・・・・・・・・綺麗だなんて言われたのは初めてだ。
(・・おかしな人///)
「・・・?変だな・・。今君が笑ったように見えた。」
彼が笑っている。
「君を見て少し元気が出たよ。雨も止んだし。また明日来るよ。」
そう言って彼は私に笑顔で帰っていった。

今日は雨が降った。
雨は好きだ。
雨のおかげで、彼に会うことができた。

花の想い 第一章「雨降り」

続きます。

花の想い 第一章「雨降り」

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-05-22

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