珈琲

目の前の彼女が珈琲を口に運ぶ

苦くて飲めないはずたったのに
いつの間にか飲めるようになっていたんだね

山盛りの砂糖をコッソリ3杯は入れたことは
見なかったことにしよう

今が穏やかに流れているから
この愛おしい時を壊したくない

それでも珈琲を飲み干すと終わりがくる

彼女は僕の手の届かない場所に消えていく

湯気が立ったままの甘い珈琲が減ることはない

今日もまた彼女の幻を追いかけている

珈琲

珈琲

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-04-16

Copyrighted
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