おい待ってくれ

赤や白や黄色のチューリップがあって近づけばオレの影で真っ黒


どこ どこ と産婦人科の入り口で電話している声のかすれて


シロナガスクジラのようなかたちして夕暮れをゆくゆったりの雲


コンビニに入って出たら傾いている太陽だおい待ってくれ


思い詰めた顔の少女の目の先は夜の電車の平凡の床

おい待ってくれ