頑張るよ、君が生きると確約するまで

八時の太陽が窓から差し込んでいた。日曜の朝でとても清々しくて、近くにある石神井公園まで散歩でもしようかと思った。
アパートを出ると、涼やかな微風が吹いていてもう秋なんだなと嬉しくなってきた。公園を散策してからコーヒーが飲みたくなってきたので、マクドナルドに入って一休みした。店内は休日を満喫して、穏やかな気分で話をしている夫婦や家族がいて、その雰囲気がわたしにも影響を及ぼしてくつろいだ気分にさせた。人の気持ちというものがわたしにも影響を与えるのだと知って、なんだか嬉しくなって、お互いに分かち合うことが出来なくても、幸せな気分にさせてくれたことを静かに感謝した。
コーヒーを飲んでいて、その時、わたしは世界中では今でも人が苦しみながら死んでいるんだ、と何故か唐突に思い浮かんだ。そして、まるで大自然の中、沢山樹木が生い茂っている中に一人彷徨っているような気持になって、悲しくなった。しかし、そこで意識が店内の人々に注意を向けて自分が一人ではないとわかって、落ち着きを取り戻したのだった。そして日本にも、自分の家から出ることが出来なくて、自分の部屋で引きこもっている人々が沢山いるんだよな、と思い、そういえば、わたしも高校を中退してから、家に引きこもって外に出ないで一日を過ごしていた時期があったよな、と思い出した。その時は誰も、というか、両親は何も言わなかった。大丈夫か?そんなにも辛かったのか?という言葉もかけてはくれなかった。自分の気持ちを告白する人なんていなかった。でもそのような経験をしてきたから少なくとも同じ悩みで苦しんでいる人のことを理解することができているのではないか。そう思っていた。とにかく、今を真剣になって生きよう。自分の為に、もしくは人の為にも生きていこう。自分に何ができるのかは分からない。そうだ、笑顔だ。今から人と視線が合った時に微笑みを浮かべよう。そういえば今日、他人に微笑みかけられたな。と、少しでも気づいてもらおう。その人が元気になって僅かでも口元が緩むことができるように意識しよう。世界は広い。自分の起こす行動は微かなことかもしれない。でも自分にとって、満足感を抱けるように努力をしよう。人と比べてではなくて。人は孤独を恐れて、人と結びつく。しかしその恐怖を克服して自分一人で生きていく決意をすること。世界中で寂しさの為にアルコールや薬物に頼る人、そんな人が幸せになること、それを心から願っている。
なんか真面目に空想を膨らませているな。でも、わたしにできること、それが正直な気持ちだ。さあ、目を瞑(つぶ)って、心が穏やかになることに注意を向けよう。そして、他の人が幸福になることを願おう。

頑張るよ、君が生きると確約するまで

頑張るよ、君が生きると確約するまで

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-04-08

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