華厳の水面
よくある失恋、ならば私の愛は流されてしまったのか、どうか、よく考えてみて、堀内がいなくなっている、猫だった彼が、どうしていなくなったのか、きっとライオンになってアフリカで生きている、という悪魔の鏡につぶやいてみると、なお時計が動き出す、麦茶を飲んだアンドロイドは、森の中にニコランジルを探しに飛行機へと飛ぶ、電池にはまったサクラユタカオー、暴れ出したルミナリエで神聖なバンドがシャコンヌを偽演奏、靴下にのった桜がバカラよろしくエラン・ヴィータルを開放している、がってんだい、どうした鴉、君の目を見て、闇を照らすアバターに変ずる、じゃがいも畑に嘘つきがしのびこみ、攻撃、守備、荒ぶるミジンコ、ええじゃないかと叫ぶ総理大臣の髪を引っ張る7才児、何も知らないケース、眠る猿の像に意味なき住人をからかう遮光土偶の赤い塗料に潜るグリュエルは涙ながらに牧場を(あらゆる牧場が馬や牛ではなく、ハーピーを飼っている今においてさえ)一新する、潰した人間の足は血まめをつくる、運命だ、錯誤だ、幻の白だ、ここに透明の歯口銃、何もいぶり出さない、かゆい、「何してる」「いや、私はただ座っている。文句があるなら表に出てください」「あなたが座っているのは人間だ。それも私の夫です」「いやいや、これは椅子ですよ。それにあなたは目が見えていない。そうでしょう?」「私が目を閉じているからといって、見えないとおっしゃるのか?」「あけれるならあけてみなさい。喧嘩はいつでもお受けいたしますよ。馬鹿者様」「よくみておきなさい。これが、人間です」「あなたも人間でしょう」「人間が何であれ、ケンカ商売してるわけじゃないよ」「ありがとうから、さようならへの道なんだ」「もうあなたも53か」「153で悪かったね」「違うよ」「何が違いますか」「君の年齢さ」「はて、私は見てのとおり10代ですよ」「それならば学生証を見せてもらおうか」「学生じゃない10代もいるってこと」「で?君は?」「いいだろ。私は眠り餃子なのさ」「みるものすべて火にひたしてしまえ。死霊御方」「でも、君・・・・・・」「何を頭に刺しているのです」「ピサの斜塔が降ってきてね」「雨のように?」「少し違う」「どう違う」「だめだめ」「君だからこそだね」「解体しているね?」「まだ壊れていないよ」「だからここにいる」「そう。だから表に表れない空間を奪い去る」「スカーレット。君を愛してる」「何もかも遅いの、バトラー」「田臥ってバスケ選手を知ってるかい?いいプレーヤーだよ」「それはあなたが言うならそうなのね」「だめだ。丸がおそってくる」という会話の中に無造作の痴がある。十二分に乱れ終われ、乱れ散れ、アイユーブお前は
終
華厳の水面