4月1日

今日から新しい基地に配属になる。不安かと聞かれればそうでもないし、嬉しいかと聞かれてもやはりそうではない。つまり僕の意思ではない。
集合時間に合わせ基地を目指す。
「おはようございます。」
僕は基地の外に人がいたので挨拶をしてみたが、訝しげな顔をされた。
僕が来ることは伝わっていないんだろうか。
しかし伝わっていてもいなくても配属されることは変わりないので、足を止めずに中へ入った。
建物がひとつしかなかったので、迷わず指定の場所に到達できた。
腕時計を確認しドアをノックする。
「失礼します。」
「入れ。」
声でこの基地の指揮官が女性であることがわかった。
「お前が今日配属になった奴か。」
「フルヤであります。」
僕が名乗ると、数枚の書類が渡された。
「読んでおけ。他に言うことはない。何か質問は?」
「タバコはお吸いになりますか?」
「ああ。」
煙草を吸わない上司は信用しないことにしていたからラッキィだ。
「それがどうした?」
「いえ、なんでもないです。」
僕は扉の前で敬礼をして、部屋を後にした。
書類に目を通すとこの基地にいるのが12名というのがわかった。その中で飛べるのは4人。
案外少ないな。
書類をしまい自分の部屋を目指した。相部屋らしいが文句は言えない。
一応ドアをノックして中に入る。
「誰もいないか。」
僕は荷物を整理し自分の場所を確保できたので、滑走路へ出ることにした。
外に出ると日差しを重く質量のあるもののように感じる。ここが地上だと思い出す。
二機の飛行機が飛び立った直後だったので、やけに静かに感じた。
ポケットからタバコを出し口にくわえる
ここで死ねるかな。
そう思いながら僕はタバコに火をつけた。

4月1日

4月1日

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-04-02

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