この想い
切ない乙女心
その日は彼の誕生日だった。
日付が変わる少し前に電話をかけた。
プルルルル、プルルルルル
どんなに待ってもその音はやむことがない。
いつしか時計の針は十二時を過ぎていた。
一番に「おめでとう」と言いたかったけど、そんな簡単に奇跡なんておこらないこと、私は知っている。
だからねメールで伝えたんだ。たった数文字だけど、なかなか打てなくて
涙をこらえるのに必死だった。
次の日、携帯をみたけど彼から返信はなかった。
少しだけ悲しい思いをしながら学校へ向かった。
教室に入ると彼はもうそこにいて、私の親友と話している。
しばらくして話が終わったのか、彼女は私の席にきて言った。
「私達、付き合うことになったの!」
彼に片思いしていること、親友はまだ知らない。でも彼女が彼を好きなこと、私は知っている。
だからね頑張って笑って言ったの。
「おめでとう」
って。
ねぇ神様、もし過去に戻れるのなら……親友より先に告白をしていたら
未来は変わってたの? アドレス交換したのだって、親友のついでだった私。
あの子みたく、積極的に行動していたら私も……
誰か教えて。私はどこからやり直せばいいの?
この想い