最大限の愛を

ホラー

この物語を見る為に、最前列中央に座るあなたに届けます。

あなたが私と目を合わせた回数を覚えていますか。
300回になるんですよ。ほら。今も。301回目。

私があなたと目を合わせた回数を知ってますか?
10回ですよ。今も含めて。


あなたは私を見るけれど、私はあなたを見ていないんです。


いや、見てるんですよ。でも、視線を変えていないのに、あなたと目が合うんです。
おかしくないですか。

私は見てないのに、あなたは見てる。
これはもう、あなたが私に恋をしてるとしか言えません。

えぇ、嬉しいですよ。そりゃぁ、誰だって好意を持ってくれる相手が居てくれる事は嬉しいことですよ。
でも、私にとっては、辛いことなんです。

えぇ。あなたを、たった数十回しか見る事が出来ないんです。
でも、心理的には、10000回は見てますよ。

もう、数えるのが億劫になるくらい。



そうですね。あなたが私と結婚を考えてくれるなら、私も答えを出しましょう。
あぁ、でも私はあなたと結婚出来ないんですよね。


残念だなぁ。


人型ではあるけれど、あなたのように人間じゃ無いから。
あなたがどんなに、二次元世界の私を好きでも、私はあなたに恋する事は、無理。


あなたは、私が好きですか。
本当ですか。なら、二次元に来ましょう。是非。是が非でも。

えぇ!本当ですか。嬉しいな。




ある日。覚えの無い友人から、こんな電報が届いた。
ボクニジゲンイク

俺は、こんな電報をよこすような人と友達になっただろうか。
しかし、名前も思い出せないなんて。
一体、誰なんだ。

最大限の愛を

分かりました?

最大限の愛を

ある日。知らない男から、電報が来る。

  • 小説
  • 掌編
  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-05-17

CC BY-NC
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