ねぇ、君っていつもそんなに優しいの?
それってさ、けっこう疲れない?
私もね、こう見えてかなり対応良い方なんだよ。

相手を傷つけないように、そおっと割れ物に触るように。
そんな風に人に接してる。

ただ、これってすごく神経使うんだよ。
たまにさ、自分はいったい何やってるんだろうって思うんだ。

自分の本心を隠してる。
そんなつもりはないんだけど、実際はそうなってしまっているんじゃあないかって。



他人に怒鳴られたり大きな声を出されるのが怖い。
きつい言い方をする人間が苦手。

だから、私はそうならないように努めてきた。



そしたらいつもニコニコ楽しくもないのに笑ってる。
そんなことってない?

いや、基本的には他人が大好きなんだけど。
態度には表さないからか、その愛の重さに他人はびっくりするくらいなんだけど。

愛ではなく、愛着、或いは執着なのかもしれない。

或いは私の妄想により膨らんだナニカ。





だから君のこともそうなんだ。
離れた距離、時間の分だけ妄想が膨らむ。
君の言葉は格別に優しい。

その優しさに尊敬と同情を。





私はきっとあなたが好き。



でもきっとこの言葉はあなたに届くことはないから。
私はまたあなたの影を求めて彷徨い歩く。
代替品を見つけては、あなたと比較してしまう。




恋って本当に難しい。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-03-29

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