傍観者

見つめればいい

例えばテーマパークなんかで
非日常な空間と人の多さに目を回しながら
好きなキャラクターに出くわしても、声をあげて歓喜し、駆け寄り、抱きつき、写真を撮るということが出来ない。
私が立ち尽くす間にも彼等、キャラクターの周りの人々は入れ替わり立ち替わり、めまぐるしく過ぎ去っていく。
いや、私も彼等の事が好きなんだ。
でも走り出す事はない。
それは良くないことの様な気がしていた。
私は彼等の事が本当は好きではないのかもしれない。圧倒的多数の「好き」を自分自身の「好き」にごく自然にすりかえていたのかも。
そんなことが生きてればたくさんある。

でも、
好きなら好きで遠くから見つめればいいのであって!
ただただ見つめるだけの恋があってもいい。
すぐに近づくことを求めなくても。
側からみたら傍観者でも。

傍観者

傍観者

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-03-29

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