私の日録たるもの

この家はなんぞや?

私は今日を楽しみに待っておりました。
もうルンルン気分です。
それはそれは今にも飛びそうな幼鳥のようでしょう。
ベッドで飛び跳ねておりますとピンポーンと耳に響いてまいりました。
勢いのままツルツルのフローリングに着地しました。
私は世界陸上決勝の陸上選手ばりに走っていきました。
すると玄関までの廊下に直角のカーブがあるではありませんか。
お主、私に挑戦しているのか。
いいだろう。受けてたとう。

急いでいましたのでカーブの内角を攻めてみました。
私は減速という言葉を知りません。
玄関が見えました。
もうちょっとで曲がりきれる。そう私は思いました。

なかなか人生は甘くないものですね。
足元を見ると私の足が無いではありませんか。
さぞかし私の目は飛び出ていたことでしょう。
視界はズルズルと横へスライドしていきます。
私はすってんころりん。
それはそれは甲子園の高校野球ばりの決死の覚悟でスライディングしていたことでしょう。
私は置いていた読み終わった本にスライディング。

懐かしい本が落ちてしまいました。
即座に本に土下座をしました。
『申し訳ありません』この言葉は胸にしまってことが終わってから謝ることにしましょう。
側から見ると曲がり角でただスライディング土下座という妙技をしただけに見えたことでしょう。
ですが私に言わせてみれば世界陸上決勝に出場しその直後、甲子園でスライディングをしたのです。
もうトップアスリートです。えっへん!

あと5メートルほどで待ちに待ったあの人が待っている。
そう思うと私は止まりません。また世界陸上決勝ばりに走っていきます。
『世界5メートル走』というものがあれば日本代表の座も間違いなしです。

さて、もう一度走ることにしましょう。
一歩。二歩。三歩。順調な足取りです。よん…ん?んっ?
いつから5メートル走がハードル走に変わったのでしょうか?
そこには10センチメートルぐらいの置物が廊下に並んでちょこんと居座っていらっしゃいます。
シルエットはまるまるとしていらっしゃいます。
マトリョーシカが横に並んでいらっしゃるかと思いましたが、目を凝らしてみると
それはとても可愛い達磨さん達でした。
ですが思い当たる節がありません。
今の状況では達磨さん達には失礼ですが無視を選択せざるを得ません。
あと靴を履いて外に出ればあの人がいるのに!
さて、ジャンプするといたしましょう。
1、2の、3!
空を舞いました。のも束の間足に達磨さん達が当たっているではありませんか。
ドテッ!
またもや私は転けてしまいました。
ころころと達磨さん達も転がってしまいました。
達磨さん達はヨーロッパの舞踏会で優雅に踊っているようにも見えました。私もそこに混ざりたい気持ちです。
ん?何か忘れているような?
「はっ!こんな事してる場合じゃない!」
立ち上がって踏ん張りました。
「よし、あともうちょっと」
靴を履いて意を決して扉を開けます。
そこには先輩が立っているではありませんか。
予想通りなのですがドキドキしてしまいます。
このドキドキはあれだけ暴れたからでしょうか。それとも先輩に会ったからでしょうか。私には分かりません。

「待ちましたか?」
先輩に聞いてみました。
「いや、1分くらいしか待っていないが。それがどうした?」
「いえ、何も。今日は何処行きますか?」
私は見上げて聞いてみました。
「特に決めてない」
「じゃあ達磨屋さんに連れて行って下さい」
「達磨屋なんてあるのか?」
「風の吹く方にありますよ」
「君との付き合い方は僕には分からないな」

歩きたい

私は目を開けるとデモに参加しておりました。
しかもなんとデモ行進の先頭に立っております。
後ろを振り返ると1万人ぐらいの行列が出来ているではありませんか。
何故こうなったのか意味が分かりません。
隣にいるデモに参加しているおじさまに聞きました。
「この行進は何の為のデモ行進なのでしょうか」
すると当たり前の様に答えられました。
「それは君が決めることだろ?何を言っているんだ」
ふぇ?
私は頭の中にクエスチョンマークがぽつんぽつんと出てくるではありませんか。私の頭は見事にパンクいたしました。
プシューッという音が聞こえます。
さて修理をしなければ。

私はあなたの方が何を言ってるだと思いざるを得なかったです。
私の前に横断幕があります。
ここを見れば分かってしまいます。
私は隣のおじさまに向けてドヤ顔を発動です。
横断幕を前屈みに覗いてみました。転けそうです
横断幕は真っ白です。
ん?
後ろに振り返ってみました。
プラカードみたいなものも真っ白であります。
んん?
これはどういうことなのでしょうか。
もう一度聞いてみることにいたしました。
今度は右隣の男性では無く左隣の女性に聞くことにしました。
「この行進は何の為のデモ行進なのでしょうか」
すると左隣のおばさまは怒ってらっしゃいます。
私は身を竦めました。確実に聞く人を間違えてしまいました。これは大変です。
「 あなたがデモを起こしたのよ。だからあなたがデモのテーマを決めるんでしょ」
「それはそれはこんな私に付き合って頂きありがとうございます。では、今からテーマを考えるので少々時間を頂いてもよろしいでしょうか」
「存分に考えなさいよ」
「ありがとうございます」
私は深々と頭を下げたい所でしたが皆様の邪魔になってしまいますので省略させて頂きます。

さて、私はデモのテーマを考えてみます。
私にはデモというものは縁もゆかりもないものだと思っていましたが、当事者になってみても望むものは特にありません。
困りました。
頭の中を私はぐるぐると回ってみましょう。
私は欲しいものを探してみました
『ぬいぐるみ』や『小説』や『お酒』
これらの言葉が私に脳の隙間からちょこんと出て来て訴えかけてきてます。
頑張って引っ込めます。よっこらしょっと。
いろいろなものがありますが、利己的なものしか出てきませんでした。
困った頭です。

これは皆様の期待に応えなければなりません。
頭を捻ります。捻ります。
1万人の皆様の期待に応えようと思うと中々出てこないものですね。
う~ん。
頭はもう起きた時からもう大忙しです。
そろそろデモのテーマを決めなければ何の行進か分からなくなってしまいます。
ぽんっ!
出ました。
『ただ歩く』
これをデモのテーマといたしましょう。
逆転の発想であります。
もはやデモではありませんただの行進です。
私達は普通の健康的な集団です。規模は1万人規模です。
横断幕を前屈みに覗いてみました。転けてしまいました。すってんころりん。
痛いです。
転ぶ瞬間に確認出来ましたが、
横断幕には『歩いてます』と書かれています。

後ろに振り返ってみました。
プラカードみたいなものにも同じことが書かれています。
私は隣の男性に親指を立ててドヤ顔をしました。
すると男性もドヤ顔を返してきました。
これで良かったですか?私はこっそり聞いてみました。
「それは君が決めることだ」
「はい」
私達は今車道で行進しています。
車が通れませんね。
私は母親にこれだけは守れと言われてきました。
『人様に迷惑をかけない事』
そりゃそうです。
私はひょいと振り返って大声で叫びました。
「あのー、車道に居ては邪魔ですので歩道の方へ行きましょう」
「はい!」
すごいです。1万人のパワーとはこれほどのものですか。圧倒されました。

私は今になってこの出来事が不思議で仕方なくなってしまいました。
目を覚ますといきなりデモ隊の先頭に立っていました。
そのデモのテーマは決まっていませんでした。
私が決めるということでした、
そのテーマを「歩く」という現状維持にしてしまいました。
皆様の期待に応えられたのでしょうか。

これらは夢なのではないかと思ってしまいました。
頬っぺたをつねってみます。
痛い…痛いです。

私たち一行は大通りの道から自宅の近くに来ていました。
これが例の帰巣本能というやつでしょうか。
私は疲れていたので帰ることに致しましょう。
皆様にお礼をしました。
「皆さん御自由に解散して頂いて結構ですので」
「はい!」
やはり、すごいです。1万人のパワー。

私は自宅の玄関のドアに手を掛けました。
一体私は何をしたのでしょう。
何故一万人の人々が集まっていたのでしょう。
私には分からないことが多過ぎてよく分かりません。
私はそんなことを考えながら寝室の天井を眺めておりました。
ぼっーとします。
さて、私は寝ることに致しましょう。
皆さんお休みなさい。

一人の女の子は世界を変える可能性を持っています。

あ〜…、ふと…

今日は特に予定はありません。
私にしては珍しく暇です。
何をしましょう
そうだ。布団を天日干ししましょう。
今日はとても天気が良いです。
窓から射す光がとても眩しいほどです。
布団からはふわふわと埃が出ています。
私の一番の愛用品ですので埃が出ているのを見ると天日干ししたくなります。
あの埃を吸っていると思うとゾッとしてきました。

今日では、ダニやハウスダストを最先端の掃除機は吸えるらしいのですが私にはそんなお金はもちろん持っておりません。
あれがあればとても便利ですね。
欲しいです。
布団を天日干しするのは楽ですが、布団を布団叩きで叩くのが面倒な作業でございます。
出来れば省きたいものです。
パソコンで調べてみました。
『羽毛布団叩く』ポチッとな。
調べてみると羽毛布団を布団叩きで叩くのは逆効果らしいです。
なんという事でしょう。

私の常識がぼろぼろと崩壊していきました。
私がイメージしていた近所のおばさまが二階のベランダで布団をパンパンと叩きながらおはようと声を掛けているのは逆効果という事でした。
後半部分は分かりませんが。
イメージが崩れてしまったのは悲しいですが、今は好都合で何よりです。
という事は天日干しするだけです。
気負いしなくて良くなりました。
ちょっとテンションも上がってまいりました。
張り切って布団を天日干しすることにしましょう。
レッツゴー天日干し。
布団を担ぎます。
埃が舞っています。
鼻がむずむずします。
くしゃみが出そうです。
くちゅん!!
もうくしゃみが止まりません。
くちゅん!!
また来ました。
くちゅん!!
三連続のくしゃみはしんどいです。
はーもう大変。
布団を担いだらこんな調子です。
まだ初期段階なのにこれは先が思いやられます。
あともうちよっとでベランダです。
布団は窓から出せるのでしょうか。
もちろん窓は全開です。
やってみないと分からない。
おりゃーーー!突進!
ぼふっ。
つっかえてしまいました。
布団は窓に突進してしまいましたがその反動で私は布団に突進してしまいました。
私の周りには埃が舞いに舞いまくっております。
くちゅん!!
くちゅん!!
はーもう息が出来ません。
今度は反省して慎重にいきましょう。
え、引っ込めて行けだって?そんなこと私のプライドが許しませんよ。

ていや~。
ぼふんっ。
今度は優しく弾き返されました。
またもや私の周りには埃が舞いに舞いまくっております。
何かいい方法は無いでしょうか。
…………。
はっ!布団を縦に持てばいけるんじゃないでしょうか。
私は布団をずっと横で持っておりました。
今度こそ!
おりゃ~。

ふふふ。やっとベランダに出ました。
さて、布団を干しましょう。
よっこらしょ。
布団をベランダの柵に掛けれました。
よし。
留め具はどこに置いたかな。
あれ?無いな。
いや、そんなことはないはず。

結果、留め具はありませんでした。
私は探している間布団から手を離しませんでした。
風で布団が飛んでしまっては困りますから。
どうしましょう。
そうだ。見張っていれば問題ありません。
今日は天気が最高です。
布団と一緒に私も椅子に座って日向ぼっこです。
雲一つないです。快晴です。
鳥もチュンチュンと鳴いております。
とてもぼーっとできて暖かいです。
布団様も同じ気分なのでしょうか。
下を覗くとおばさま達が立ち話をしてらっしゃいます。
いつも見かけると思ってしまうのですが、そんなに話すことがあるのでしょうか。
私にはまだその域にはいっていませんので、理解できません。

私は太陽の光でもうお腹いっぱいです。
げぷっ。

さて、布団をそろそろ取り込みましょう。
ふぇ?
上から何かが落ちてきます。
私の布団に何かが捕まりました。
布団が危ない!
そして何かが危ない!!
私は私は急いで布団をキャッチしようと布団に向かって走りました。
『世界1メートル走』というものがあれば私は日本代表の座は間違いなしだったでしょう。
ですが私が走るに連れ布団はどんどん遠ざかっていっています。
間に合いません。
私は最後の悪あがきにジャンプしました。
とうっ!

その後、私は止まることなんか考えていません。
そのままベランダの柵に突撃。
ぐふっ。
私はくの字になりました。
何とか間に合いました。


私はそのまま布団が舞っているのをベランダから覗いておりました。
どうする事も出来ません。
私はもう天日干しは諦めざるを得ませんでした。
無念。

今思うと私と布団はリンクしていたのでしょうか。
よく分かりません。

こんな状況ですが。
布団が落下しています。
空を舞っています。
そのままこの手に戻ってこないでしょうか。

今までの私の努力はどこに行ったのでしょう。
私は布団を落とす為にベランダに来たのではありません。
これは立派な事故です。

どうしましょう。
布団を取りに行かなければ。
皆様に迷惑です。

ぴゅ~~。

私は急いで布団を取りに行きました。

はぁはぁ~。
疲れました。
なんか今日は無駄な事をしてばかりです。

どうしましょう。
布団は天日干しする前より汚れてしまいました。
クリーニング屋さんに布団を出しましょう。
布団というものをクリーニング屋さんは受け取ってくれるのでしょうか。
しかも高そうです。
うぉー。
悩みます。

やっぱり汚れていますのでクリーニング屋さんに出しましょう。
痛い出費です。
私は車を持っておりませんので、羽毛布団を運ぶ手段は歩くしかありません。

私は家を走りました。
はうッッッ!!!!
それはもう言葉で表せないぐらいの痛みです。
私の身体にびりびりと電撃が走りました。
ダイニングテーブルの足に足がぶつけてしまっています。
しかも小指です。
ありがちな事ですがこれは堪ったものじゃありません。
私はその場で悶絶しました。
私の目はうるうるしております。
泣いてしまいそうです。
布団の事など今はどうでも良いのです。
それより私の足の小指が一大事です。
私は立ち止まって足の小指を慌てて見てみました。
骨折はしていなかったですが、まるで骨折しているような痛みです。
一番小さな爪は割れておりません。
ですが赤く腫れております。
私のキュートな小指ちゃんがー!

痛いですが痛みを出来るだけ消す方法がありませ…ん?
そうだ。氷を小指に当てれば。
私は急いでキッチンの方へ向かいました。
製氷室を覗いてみます。
氷ありました。

早急に氷をビニール袋に入れて小指を冷やしました。
ふー。
なかなか冷たいものですね。
あれ?
ちょっと痛くなってまいりました。
ん?
次は痛みを通り越して、何も感じなくなってきました。

小指の神経が麻痺しております。
私の小指ちゃんはブルブルブルブル凍えているはずです。
私の小指頑張れ!

そろそろ頃合いでしょうか。
良し。治った。
そう思い小指を見てみると腫れはひいた気はしましたが、まだ小指は赤いです。
あとはもう気合です。
私は頬を叩きました。
ぺちぺち。

さて、布団を持ち上げましょう。

えっちらおっちら。
重くはないですがとにかく大きいです。
これは大仕事です。

ふー。やっとクリーニング屋さんに着きました。
「あのー、羽毛布団ってクリーニング出来ますか?」
クリーニング屋の店員さんはにこにこと笑っていますが、私は疲労困憊です。
「はい。もちろんです」
「じゃあ、よろしくお願いします」
「お会計は2980円でございます」
「あ、はい。えーっと3000円でお願いします」
「こちらお釣りの20円です。こちらのお布団のお引き渡しは10日後です」
「はい。分かりました」

私はウキウキ気分で家に帰っていきました。
帰りはそれはそれは軽いこと軽いこと
もうスキップ気味です。

家に着きました。
寝室を覗いてみると、布団がありません。
そりゃそうです。
先程頑張ってクリーニング屋さんに行ってきましたからね。

ん?という事は。
寝るときに布団が無いではないですか。
それが1日どころではありません。
何と10日間も布団がありません。
私のもふもふがー。これは一大事。
私はか弱き女ですから風邪をひいてしまいます。

考えても仕方がありません。
まぁ、どうにかなるでしょう。


どうにもなりませんでした…。
案の定、私はどんより気分です。
起きて早々違和感を感じます。
ベットに張り付いているみたいです。
身体がとても重いのです。
重りが身体に巻きついているようです。
私はそれを解こうと足掻きました。

それは取れませんでした。
無念。

頭も痛くなってきました。
頭を振ったからでしょうか。元々でしょうか?
私は天井を眺めることにしました。
何故か長方形の天井が歪んで見えてきました。
あれ?天変地異が起こっているのでしょうか。
何が起こったのか私には分かりません。

これはいわゆる風邪というものでしょうか。
私は久しぶりに風邪をひいてしまいました。
何年ぶりでしょうか。

あれは確か…
小学四年生の時でした。
私はのずるずるとスライムのように私は目を覚ましました。何故かいつもの様にパチッと起きませんでした。
私はベッドから立った瞬間、気怠さに襲われました。
とてもぼーっとします。
いつもの部屋ではありません。
低い身長がより低く感じるではありませんか。
私は何かに呪われているとその頃幼心に勘違いしてしまいました。
くしゃくしゃの髪でパジャマのまま一階に行きます。
もうよろよろで倒れてしまいそうです。
とりあえず朝から忙しそうな母に訴えてみます。
「ぼーっとする」
「とりあえず、熱計ってみたら?」
素っ気ないです。
「はーい」
体温計を脇に挟みます。
先端の金属が冷えていて「ひゃっ!」っと声を出してしまいました。
あれには皆さん御注意下さい。

中々体温計から『ピピッ』という音が鳴りません。
私はこれほど無駄な時間はあるのかと思ってしまう程
無の時間でした。
『ピピッ。ピピッ』
やっと鳴りました。
緊張の瞬間です。
正直、学校を休む為に熱があって欲しくてたまりません。
ちなみに私の平熱は36度ぐらいのはずです。
体温計を見ると37度9分です。
私は心の中で歓喜しました。
これは母に喜んでいるのを見られると学校に行けと脅されてしまいます。喜びを隠さなければ。元々体調は崩していますのでそんなに元気ではありません。
娘VS母の戦いです。
「37度9分だって」
私は証拠品の体温計を提示しました。
「結構、高熱出てるな。仕方ない。学校に連絡しとく」
困った顔で母親に言われました。
「今日、学校休めるの?」
「休み。じゃあ、早くベッドで寝ること!」
「はーい」
私はもうニヤニヤしながら廊下に出ました。
心はウキウキ気分です。
二階に上がろうとステップしてみました。
あれ?頭がキンキンします。
視界が歪んでいます。
トウッ!
一段目は辛うじて生き残りました。
ステップしていますのでそんなに早く止まれません。
体が病気という事を忘れてしまっていました。
何たる失態。
次は二段目です。
『階段の二段目VSアホ』どっちが勝つのでしょうか。
ちなみに本日第二戦目です。
決死の覚悟で私は二段目に足を掛けました。
あともうちょっとです。
あと片足を二段目に乗せるだけです。
おりゃーーー!
私は残りの片足の方を見てみると階段の段差に足が引っかかっているではないですか。
歪んだ視界がどんどん階段に近づいていってます。
私は手摺を掴もうと思い、頑張って左手を目一杯伸ばしました。
ですが、どんどん階段に体が近づいていってます。
どっちが速いのでしょうか。
ドテッ。
私は階段で転けてしまいました。
その後に手摺に手がペタッ。
私は階段の二段目に負けてしまったのです。
悔しい。
私は右手で白旗を揚げました。

ぽたっぽたっと音がします。
何かしらのものが何処からか出ています。
液体でしょうか。
見てみるとそれは赤色でした。
何処から出ているのでしょう。
私の唇に血の味が伝わってきました。
それは私の鼻から出ていました。
鼻血です。
私は階段に負け、おまけに鼻血まで出してしまいました。
その後私は急いで四足歩行で階段を駆け上がっていきました。
部屋にはティッシュがあります。
急げ。
階段を終わって四足歩行から二足歩行に切り替わる手を離した瞬間、また私は視界がぐらつき転けてしまいました。
顔から転けてしまいました。
本日二度目です。
私は次こそはと部屋へティッシュを求めて帰りました。
私はその後ずっとベッドに横になっていました。
風邪をひいたときの1日はとっても長いです。
する事がありません。
ぼーっとします。

それは昼ごろの事でした。
「きゃーーー」という悲鳴が耳に届いてまいりました。
私は怠くて動けませんでした。
すると母が二階に上がってきました。
私の部屋の扉をどんっ!と開けました。
ビクッとしました。
「階段に血が、血の跡がある。誰か殺されたのかな…」
母はパニック状態です。
私は冷静に答えました。
「あ、それ私の鼻血」
「ふぇっ?」
母はこれを言うときは頭で理解出来ていない時です。
このふぇっ?というのは母譲りの私の癖です。
母は怒り心頭です。
顔が鬼の形相でした。
私は母に階段へ連れて行かれました。
床へ血がブシャーときれいに一点からきれいに広がっています。血が。
それはもう母の言う通り殺人現場のようでした。
母は絶賛、鬼です。
「階段の二段目の血も?」
口調は優しいですが顔は鬼です。
私は怯えながらはいと言わざるを得ませんでした。
階段を見てみると二段目は血がだらーっとなっています。
その原因は私が鼻血が出ているのに気付くまでの時間の跡です。

「こんな事どうなったらなったの?」
母は怒っています。
「あの後スキップして階段上がろうと思って、それで階段の二段目で転けてそこで鼻血出て、その後急いで四足歩行で急いで階段を駆け上がって、その後二足歩行に切り替える瞬間また顔から転けてしまって、この有様です」
私はしどろもどろに答えました。
「アホ」
母はそれしか言わなかったです。
私はもっと説教されるかと思っていたら、一言で終わりました。
ぽかーんとしました。
「二階行って部屋で寝とくこと」
母はそう言って私の鼻血の跡を雑巾で拭き取り始めてくれました。
私もやると言うと、
「病人は休むのが一番」と言われました。
私は言われた通り自分の部屋にいきました。
ベッドに入りました。
私は疲れていたのでしょう。
ベッドに入ってすぐに眠ってしまいました。

自転車は拷問器具?

私は今自転車に乗っているのであります。
ママチャリに乗っています。
自転車はとても気分が良いものですね。
道端の草たちはなびいていらっしゃいます。
草が人間になればさぞかし顔立ちが整っていることでしょう。
と、変なことを考えながら自転車を漕いでいます。
ふと私は疑問に思ったことがあります。
自転車は当たり前のことですが2つの車輪を地に付けて動いてらっしゃいます。
ちなみに自転車を4つの車輪で漕いでたのは小学校一年生の時でした。
同い年の友達より補助輪を外すのが遅かったです。
みんなが補助輪を外して自転車に乗っているのを見ると恥ずかしくてたまらなかったです。
私は子供の頃からドジな子供だったらしいのです。
父親から聞いてみると私は子供の頃からしょっちゅう転けていたらしいのです。
そんな記憶無い。と、言い張るとお前はその時に記憶も転がってどっかに行ったんじゃないのかと馬鹿にされました。
そんな訳無いと思いましたが決定的な理由も無いので言い返しが出来ませんでした。
なんと哀しきこと。

話が脱線してしまいました。
話を戻しましょう。よっこらしょっと。
当たり前ですが流通している自転車は基本二輪ですよね。
私は自転車を発明した人物はすごいと思います。
ペダルなしの自転車を発明した人は足で地面を蹴って進んだそうです。
発明した結果、
『エサや蹄鉄が不要で、馬車よりも経済的だった』らしいです。
確かにそうかもしれませんが今聞いてみるととても面白い感想だなと私は思いました。
私なら自転車が食事可能ならば喜んで献上させていただきます。
さぞかし面白い光景でしょう。
『自転車はペット』という考えもありですね。

そして、今の自転車の元祖となった物は今の自転車とさほど変わらないらしいです。
足を地面から離してペダルで漕ぐ。
この行為をやよくしたものですね。
私は心から発明者に感謝です。
普通転けると思うものを発明するのはさぞかし大変だったことでしょう。
私だったらぽいっと諦めます。
ゴミ箱にダンクシュートです。

私の脳から現実へ戻ることにしましょう。

あれ?ここは何処なのでしょうか。
道は曲がった覚えはありません。
考えながら自転車を漕ぎ過ぎました。
どっかで知らぬ間に転んでどっかに記憶を置いてきたのでしょうか。
厄介な頭です。

見知らぬ街を彷徨っているとサドルに座り過ぎてお尻が痛くなってまいりました。
さて、困りました。
街でいきなり見知らぬ人が「お尻が痛いのですが助けて下さい」とも言えませんから1人で帰るしかありません。
私は自転車の発明者を恨むことにしました。
人間は自己中心的な生き物であります。

単純に考えるてみるとまだ道のりは半ばと思われます。
心の芯がボキッと折れる音が聞こえました。ポキッではなくボキッでした。これは重症。
もう粉砕骨折です。
私は頑張って心のセロハンテープで治そうとしましたが粉砕骨折ですから治せませんでした。
無念。
もう私の心は立ち直れる様子はないことでしょう。
あとは自宅でゆっくり心を治すことにしましょう。

自転車というものは道路で段差などで自転車は跳ねておられます。そのダメージは全てお尻に集中してしまいます。
それはそれは言葉に出来ない程の痛みです。
蓄積されたお尻へのダメージは今頃きてしまいました。

ああ神様、どうかこの救われない女をお助けあれ。

私は次に自転車の発明者から体の構造を恨みました。
自転車を乗っているという事は座っているということとさほど変わらないではありませんか。
足には膝というクッションがあるではないですか。
腕には肘というクッションがあるではないですか。
頭には背骨と首というクッションがあるではないですか。
その背骨と首にはお尻というクッションがあります。

ここで私には一つの疑問が生じてしまいました。
お尻はそれはそれは良いクッションだと思います。
ですが膝や肘の様に曲がらないではありませんか。
これは一大事でありますよ。
お尻も立派な体の一部でいらっしゃいます。
私がお尻ならこんな立場嫌です。
私がお尻なら国会に立って不信任決議案を即座に提出させていただきます。
私は心の中でデモ行進をしました。
「お尻は立派な体の一部だー。こんな事が許されるのかー。」

なんて神様は意地悪なのでしょうか。
お尻に優しくしてください。
今の私はとても自己中心的です。
もう私のお尻様は瀕死でいらっしゃいます。

ふと現実に戻ってみると家から最寄りの駅前でした。
私はお尻を労わりながらお尻を痛めず早く帰ることに徹する事に致しました。
『世界自転車でお尻労わりながら帰る選手権』というものがあれば日本代表の座も間違いなしです。

私は自宅に着いた途端、ベッドに横たわりました。

私の日録たるもの

私の日録たるもの

私は日々をただ送って一生懸命過ごしているだけなんですけどね。 何故かそれが他人に聞いてみると面白いらしいのです。 訳が分かりませんね。 そんなことはないのです。 そんなことはないのです。

  • 小説
  • 短編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-03-29

CC BY-NC-ND
原著作者の表示・非営利・改変禁止の条件で、作品の利用を許可します。

CC BY-NC-ND
  1. この家はなんぞや?
  2. 歩きたい
  3. あ〜…、ふと…
  4. 自転車は拷問器具?