真昼の来客
ある日曜日、昼のこと。
日曜というのは、日々仕事に追われる者たちにとって、長い長い旅の中の温泉街のような存在であり、そこで体を休めるも、気ままに遊ぶも、旅の疲れを少しの時、忘れさせてくれるオアシスなわけで、そんな者たちの発する、ゆったりとした空気が、なんでもない空や街並みを、平日とは違った景色に、見せてくれるわけで。
そんな香に魅せられてか、我が家に、見知らぬ男が侵入してきた。
彼の歳は二十代にも、三十代にも見え、とくに目立った格好でもないのだが、侵入者という言葉が、魂に刻まれているようなその忍ぶ様子を、このまま黙って、眺めてみたいと思ったわけで。
それから十数分が経った頃、すっかり散策を終えた彼は、疲れのせいか、おもむろにリビングでくつろぎだした。
いつのまにか取り出していた、お茶とせんべいをちゃぶ台に置き、ふかふかとしたソファに体を預け、テレビの電源をつける。
それから何時間もの間、彼はトイレに行く以外は同じ場所から離れないわけで、そんな様子を見ていても退屈で、私はしばらく眠っていたわけだが、玄関のドアの開く音で目が覚めたわけで、その頃にはもう、彼への関心はないわけで、我が家へ泥棒へ入った彼が、私の主人の息子だと知っても、さほど驚くこともないわけで、数年ぶりの、家族そろっての団欒を、私は月曜日の憂鬱とともに迎えるわけだ。
真昼の来客