個人的嗜好(1)「指」

個人的嗜好(1)「指」

登場人物紹介
姉:一応社会人(事務職)、割といい年、3年くらい彼氏なし、プリン大好き、ずぼら、ゲーム好き、
妹:高校生くらい、彼氏あり、ジャイアニズム主義、無駄にエロい、割とゲームはする、

私はとても部分的な潔癖症だ、
部屋は汚いし、ストッキングだって人目を気にしなければ5日は穿ける、
でも私は、指が汚れるのだけはどうしても我慢できない、
泥とか、土とか、食べこぼしとか、その他もろもろ、
汚れてから1分以内に手が洗える場所が無いと私は発狂しそうになる、
でもまあ割りと自分の体液は平気なんだけども・・・、
ちなみ心の病気とかソンなのはない。

指って言うのは、知っての通りとても膨大な数の神経が通っていて、
局所麻酔されても痛みや違和感を感じるくらい鋭敏な部位、
難しい神経学のお話によると、たとえば人差し指の感覚野ってとても大きな部位を占めているみたいで、
脳と人差し指がより強く繋がっている分、とても応用が利いて、感覚が鋭く、反射が早い、
パソコンのマウスとか、ボタンとか、そういうものって人差し指で押すように出来ているでしょ、
それってやっぱり、人間がモノを扱いやすいように求めていった結果なのかもって思う、

まあ難しい話はここまでにして、
私がなんで、手、主に指が汚れるのが嫌かって言うのは説明しがたい、
要するに、何かわかんないけどゾワゾワして嫌だ!、ってやつ、
誰にも一つくらいあると思うんだけど、分かりやすく言えば、
虫が嫌いな人が、虫を触ろうとするときに感じる、あの気持ち悪い嫌悪感、
「うへぁ~・・・」って言いたくなるようなあの感じ、
でもある友人に言わせると、
「気持ち悪い≒気持ちいい」って言う人も居る、怖いもの見たさ、みたいなものかなとも思うけど、
私にはそんな特殊な性癖はない、いたってごくノ-マル、

さて回想に入ろう、それはある晴れた日の休日の昼下がり、ちょうどおやつの時間だった、
「プリンー、プリンー、んふ、ぬふふふふ♪」
結構いい年をしている私だが、プリンが大好き、
プリンが食べられなくなるなら、戦争を起こしたっていいと思っている、
冷蔵庫に買ってきていたプリンが仕舞ってあるはずなので、一回の台所へ向かう、

「無い、あれ、わたし、名前まで書いておいたのに、なんで無いの・・・」
動物的直感を駆使してリビングへと向かう、そこには、

今にも蓋を開けられそうになっているプリンが、蓋が、もうすぐ、あきそ・・・

「ま、まてぇえ!!、ソイツをあけるんじゃない!!爆発するぞ!!」
ポカーンと口をあけてこっちを見る妹、

「はぁー、なんで丁寧に名前まで書いてあるプリンをアンタが食べようとしてるの・・・」
「えーだって、何かおいしそうじゃんコレ、450%クリーム増量プリン」
「それは理由になってない、さあ返してもらおうか」
「いいじゃんプリンの一つや二つ、ケチバ○アって呼ばれちゃうよ」
「まだババアにゃ遠いわ!!、学生の癖にブランド物のバッグが買えるならプリンぐらい買えるでしょ」
「それは違うわ、人から奪う事に意味があるのよ」
「そんな"どうだぁ!!"って顔されても困るって、さあ、返しなさい」
「いーーやーー、むー、まあ、うん、そうねぇ、私が挑戦を出して、それに耐えられたら返してあげる」
「それ、元々わたしんだし・・・、まあ聞くだけ聞いてあげる」
「よしきた!、こうでなくちゃ女の戦いは面白くないもんね」
「納得いかないなぁ、で、挑戦ってなによ」
「まあまあ落ち着いてお聞きなさい、私はつい数時間前、彼氏とイチャイチャしてきました」
「へーへー、そりゃあお盛んなことで、病気には気をつけなさいよ」
「でー、お姉ちゃん、指が汚れるの昔からとっても嫌がったでしょ、○ールとかお箸で食べてたもんね」
嫌な、とても嫌な予感しかしない、
「んでー、何を咥えてきたか分からない私のお口でー、お姉ちゃんの利き手の人差し指を舐めるの、5分間耐えられたら返してあげるー、くふふふふ」
こいつゥ、私が絶対乗らないと分かっていて言ってやがる、しかし無理だ!どう考えても無理だ!
しかも数時間前にアレがコレでXYZとか↑↓↑↓←→←→BAとか!
「ちなみに、このプリン、今週末までの限定だって、つまり今日までみたいよー」
「な、ぁ、そんな、たかがコンビニでおやつ時のあんな激戦を勝ち抜いて手に入れた450%クリーム増量プリンが、今日までだって」
私は、思考がショートして、ソファーに座り込む、
「ふ、燃え尽きたぜ、そのプリンのように真っ白にな・・・」
「んじゃあ不戦勝でいいの?、それじゃいただき・・・」
私の中でナニかがハジケた!、パキーン、でもペルソナは出ないぞ!
「まて、5分だ、5分間だけ耐えてやろう、私には故郷に待っているプリンが居る」
「おー?やる気?、じゃあ私も約束を守らなきゃねぇ、きっかり5分耐えられたら返してあげる」
「耐えてやる、耐えたらこれでもかというくらい手を洗って、無かったことにしてやる」
「途中で指を引き抜いたらそこで負けだからね、じゃあ、咥えた瞬間スタート」

妹は両手を顔の前で広げて、舌を出す、
「えー」
今の妹は、獲物から養分を搾りあげる、狩人の目をしている、
名前を付けるとするならば、「怪人チュパカブラ」
「うあー、なんで妹とこんなことしなきゃなんないのか・・・、」
震える人差し指を、ゆっくりと、妹の口腔の中に入れていく、
その瞬間、妹は携帯のストップウォッチを開始した、

ざらざらとした舌の質感と、人肌の温かさがダイレクトに指を刺激する、
背筋にぞーーっとした、寒気と嫌悪感がほとばしる、
「ひはひひー、ふひのはは、うあいひへあいおー (ちなみにー、くちのなか、うがいしてないよー)」
「ちょ、そういうことは先に、ひいいいい!」
唾液が口の中に溜まっていくと、潤滑は良くなり、音を立て始めた、
「ん、んちゅ、えあー、じゅっぷ、じゅるー、ちゅぷ、じゅるじゅる」
こ、コイツ、デキる!、女ながらにそう思ってしまう、
いやー、私だってこういうことしたこと無いわけじゃないけどサー、

「歯がガツガツ当たって痛いからもういいや・・・、ごめん・・・(´・ω・`)」

とか言われたら女の子は結構傷つくって・・・、
にしても、指の側面、指先、指の腹、感じやすい部分を的確に攻めてくる、
それも満遍なく、なので何時までも感覚が麻痺しない、
しかし、まだこれくらい耐えられる、多分、

時間を見る、現在1分経過、

「ふ、ふふ、この勝負、私の勝ちだな、この程度じゃ・・・、なんともない、ぜ!」
震える声で勝利宣言をする、その時、妹の目つきが、ニヤァっとした、
この目は、自分が圧倒的有利に立っているときの妹の目だ、
なんだ、何を隠しているんだ、言い表せぬ恐怖に駆られる、
妹が口を大きく開けて舌をせり出すと、
顔ごと大きくグラインドを始めた、
実の妹に舐められている(指を)という罪悪感と嫌悪感と倒錯が押し寄せる、
「えへへー、まだ終わりじゃないかんね」
不敵な笑みを浮かべる妹、
指の側面をレロレロと小刻みに舐めたら、根元に戻って
一筋にツーッっと舌を滑らせる、
「う、ううー、ま、まだ、まだ降参なんかしない!」

現在2分50秒、あとすこし!、耐えろ自分、と心の中で言い聞かせる、

妹が「ふすー」と鼻から一息つく、
降参しないと分かって諦めたのだろうか、
「どうする?、まだ降参しないけど・・・」
「んぷあー、私には108のフ○ラテクがあんのよ」
「はぁ、そうですか、それはす」
完全に気が緩んでいた、そして不意打ち、
指を下の奥歯からスライドさせられた、
とても繊細なタッチで、焦らすように、
ギザギザとした歯の質感が指の腹を犯す、
「うひゃあ!、ちょ、くすぐったい、こんな秘儀が、マズイ、コレは!」
妹の顔を見る、ちょっと、何赤くなってんのよ!!、
自分も釣られて、恥ずかしさと気まずさで頬が赤くなる、
口の奥で泡だった唾液が、なんとも言えない感触と卑猥な音を奏でる、
恥ずかしさを意識した分、余計にダメージが大きい、
指先に全神経が集まっているかのように、ジンジンとして熱い、
コレハワタシノヒトサシユビデス ソレイジョウデモソレイカデモアリマセン、
静まれー鎮まれー、私の人差し指ちゃん!、
意識すればするだけ、人差し指に神経が向かってしまう、
時間は!、あと60秒!、ここで引き抜いたら試合終了ですよ、
プリンと降参を天秤に掛けたら、まだプリンが勝っている、

一瞬、妹の動きが完全に静止する、
電撃的な速度で思考を展開しているようだ、
そして幾秒も立たずに、指を第一間接まで咥えた、
「な、何をするつもりなのよ・・・」
何も答えない、それがちょっと怖い、

突然前歯で指を"甘噛みなのにガッチリホールド"される、
そして渾身の力で啜り始めた、
わざとらしいくらいにいやらしい大きな音を立てて指を吸う妹、
「ちゅ、じゅじゅ、じゅー、ちゅぷちゅぷ、じゅるー」
舌は舌先だけがちろちろと指先を嘗め回す、
これは、アレだ、

"子猫のあまがみちゅぱちゅぱ"だ!(?)
まだ乳離れが出来ていない子猫のおねだり、
抜きたいのに抜けないあの絶妙なホールド感、
恍惚の表情で指を吸い続ける子猫を演じているんだ、

「うー、抜きたいいぃいい!、でも抜けないぃいいい!、あーーもう訳わかんない!」
ぐるぐると思考が散漫し、澱む、
あと10秒我慢すれば勝てる、しかし1秒1秒が途方もなく長い
5、
指先から淡い電撃が脳を刺激する、
4、
ビリビリ、ジリジリと、
3、
プラトニックなラブってこういう事を示すんだ、
2、
そんな根拠のかけらも無い馬鹿みたいな哲学が頭の中で構築されていく、
1、
あー、やばい、頭の中が真っ白、
0、

携帯のストップウォッチが5分きっかりでアラームを鳴らす、
その音が一気に現実へと私を引きずり落とした、
口から指を、ねっとりと離す妹、
「あー、負けた、勝てると思ってたのに!、で、どうよ?」
「な、何がよ・・・・」
「私の舌技のことよ、ちなみに今日はキスしかしてないわよ、アレだし」
「あんた何者なのよ、悪い事とかしてないでしょうねぇ」
「大丈夫大丈夫、流石にそーゆーのは無理だわ、彼氏がヘタれすぎて、
「もうやめてーぇええ」って言うのが楽しいだけよ」
「ちなみに最高記録は・・・?」
「イマカレで13秒、流石に大声上げて笑ったわ、「ぶはははははは!!」って」
「ああ、かわいそうに・・・、まあ約束通りプリンは返してもらうぜ」
「はいはい、別にもう食べたりしないから手を洗ってきなよ」
「あいよー、・・・、食べんなよ?」
「わーってるわーってる」

洗面所で手を洗い始める、
「はーーーーーー」
大きなため息をついて、心臓の高鳴りを押さえる、
もし10分だったら絶対耐えられなかったなぁ・・・、
爪の中まできっちりあわ立てて洗い流す、
そして台所へ行き、スプーンとお皿を持って来る、

妹はソファーで足を投げ出しながらテレビを見始めていた、
「ふあああ、なんかだるいなー、コンビニでも行こうかなぁ」
プリンは、約束通り手がつけられてなかった、
蓋を開けて、クリームまみれのプリンを皿に半分取り分ける
「はい、半分あげる、限定品なんだったら一緒に食べよう」
「お姉ちゃんありがとー、えへー、だからお姉ちゃんのこと好きなのよ」
二人でプリンをほお張る、

「プリンが完全にクリームに殺されてるわ・・・」
「お姉ちゃん・・・、今度駅前の半熟カスタードプリン買ってきてあげるよ・・・」

とまあ、こんな事があったわけで、
案外自分の指が性感帯なのかも、だから汚れるのが嫌、
っていう考え方をもち始めたりもする、

知り合いなんかにこういう事を聞いてみると面白いかもね、
以上、"指だけ潔癖症"の私の話でした。

個人的嗜好(1)「指」

私自身が、この物語のお姉さんの様に、部屋とか服とかの汚れは気にしないのに、
手、主に指先が何かしらで汚れるのが堪らなく我慢できない、"部分潔癖"なので、
嗜好シリーズ第1弾のテーマとさせていただきました、"部分潔癖"と言いましても、
女の子に指を舐めまわしてもらいたい、指フェラシチュ大好きな変質者で御座いまして、
敏感な部分だからこそ、性感帯として成立するのでは無いかと思っています、
共感していただける方が居れば感慨深い所存であります。

個人的嗜好(1)「指」

個人的嗜好をお話にまとめたモノの第1弾です、直接エロは無いです。

  • 小説
  • 短編
  • コメディ
  • 青年向け
更新日
登録日
2012-05-15

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著作権法内での利用のみを許可します。

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