Piaf ピアフ

Piaf ピアフ


2016年3月23日 広島アステールプラザ

作=パム・ジェムス
演出=栗山民也

Cast
大竹しのぶ=エディット・ピアフ
梅沢昌代=トワーヌ
彩輝なお=マレーネ・デイトリッヒ/マドレーヌ
伊礼彼方=シャルル・アズナーブル他5役
碓井将大=テオ・サラポ他6役
川久保拓司=ルイ・バリエ他3役
大田 翔=イヴ・モンタン他5役
津田英佑=ブルーノ他3役
横田栄司=マルセル・セルダン他6役
辻 満長=ルイ・ブルレ他3役
池谷祐子=看護婦他3役


大竹しのぶさんの「ピアフ」公演、これが3演目だそうだ。
東京まではとても観に行けなくなっている身とすれば広島へ来てくれるなんてとっても嬉しい!
前評判の良さから期待して観に行った!
大竹さんが歌う事は知っていたが、果たしてピアフをどのくらい歌えるのか?
不安と期待が入り混じった気持ち・・・。
だが、舞台を観て歌が上手とか下手だとかの批評は必要ないと思った。
勿論大竹さんの声はピアフのあのハスキーな歌声とは違う。
だが舞台中央のスタンドマイクの前に立ち、低音から歌い始めた大竹さんはピアフそのものだった。
凄い女優さんだなぁーー!

Story(プログラムより)
エディット・ピアフ___本名エディット・ガシオンはフランスの貧民街で生まれ、路上で歌いながら命をつないでいた。
ある日、ナイトクラブのオーナーがエディットに声をかける。
「そのでかい声、どこで手に入れた?」
「騒がしい通りで歌っても、歌をきいてもらうためよ!」
“ピアフ”・・・“小さな雀”の愛称がついたエディットの愛の歌はたちまち評判となる。
華やかで順風満帆な人生にも見えたピアフだが、私生活は孤独で切実に愛を求めていた。
ピアフが見出し、愛を注ぎ、国民的歌手へと育て上げたイヴ・モンタン、シャルル・アズナーブル。
ボクシング・チャンプのマルセル・セルダン、生涯最後の恋人となる若きテオ・・・・。
最愛の恋人を失った時も、病が身体と心を蝕んだ時も、
エディット・ピアフは愛を求めて、マイクに向かい続けるのだった。


舞台装置はいたってシンプル。
舞台上に額縁の様な枠があり深紅の緞帳がかかっていてその中央からピアフが登場する。
それ以外のセットも長椅子がある程度。
ただ・・・(笑)配役を見てもらえばわかるように、一人の役者さんが何役もこなす。
その登場人物がピアフにとってどんな関わりがあるのか理解する前に物語が進行していく。
男性の登場人物が余りに多すぎて頭が混乱して、えっ、えっ・・・あっという間に一幕の終わりが来てしまったような気がした。
1幕の終わりに横田さん演じるマルセル・セルダン(最愛の恋人と言われている)と下着姿で語り合う場面が
唯一落ち着いた語らいだったなぁーと(^v^)

勿論歌は何曲も歌われた。
だが1幕で歌われた曲の中で最も心に残ったのはマレーネディトリッヒ役の彩輝さんとデュエットで歌った「ばら色の人生」・・・。
素晴らしかったなぁーー♪
彩輝さんは宝塚出身だから歌は歌えて当然なのだが、大竹さんも決して引けは取らない。
この歌はその昔、まだ高校生だった頃、歌の上手かった親友が歌って聞かせてくれて覚えたピアフの最初の歌だった。

♪ あなたの胸で私は聴く やさしの言葉・・・♪  勿論日本語訳で歌ってました(笑)


2幕はマルセル・セルダンが亡くなって心のよりどころを失い身も心もぼろぼろになっていくピアフ。
薬物中毒に陥り舞台の前に薬物を入れなければ舞台にも立てない状態になっていた。
舞台の上手と下手とで2回、首に巻いたマフラーをシュッと外して腕をグルグルッと縛り、手でバシバシと腕を叩いて注射する
麻薬中毒者の姿そのままの大竹さん、鬼気迫るものがあった。
でも舞台の幕が開き登場したものの倒れてしまい歌えない・・・、そんな状態が何度かあってピアフはもう終わったと思われたのに、
最後に「水に流して」と言う曲に出会いピアフは復活する。これを歌う大竹さんが素晴らしかった!  
だが病に蝕まれたピアフは最後は若き恋人テオと彩輝さん演じるマドレーヌの介護を受けながら穏やかな時をすごす事が出来た。

プログラムを見ると1幕で歌われる歌、2幕で歌われる歌が紹介されているのだが、残念ながら私はピアフの歌を余り知らない。
イヴモンタンが登場するのだから「枯葉」が当然載っていたけれど、これが歌われたかどうか・・・?、記憶が定かでない(涙)
ただイヴモンタン役の大田翔さんが2幕で歌われた「帰れソレントへ」が朗々として体が震えるほど素晴らしかった! 
プログラムを見ると、この太田さん、オペラ歌手って紹介されていて納得!
ピアフの最大のヒット曲「愛の賛歌」、最後まで歌われなかったような気がして心残り。
この舞台を観てピアフが実際にそうだったのかどうかは判らないけど、大竹さんが演じたピアフは最後まで、どんなにお金持ちになっても
余り品の良い女性には見えなかった(笑) 
それを意識して大竹さんが演じたのだとしたらスゴイッ!と思う。

この舞台、一回観ただけでは消化不良・・・、また再々々演が有ることを祈りたい。

広島での公演は1回限り、だが遠征して来られた方も多かったようだ。
何度も起きるアンコールの拍手の中登場して手を振る大竹さんの可愛らしい事!まるで少女のよう!(笑)
スゴイ女優さんだと思う(拍手)

Piaf ピアフ

Piaf ピアフ

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-03-26

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