メル友は・・・(バージョン2)
前に書いた、『メル友は・・・』の改正版です。
この前、私はメル友を見つけた。
相手は中学二年生の男子だと言っていた。
ユウというハンドルネーム。
私は中学一年の女子。
ハンドルネームはミイ。
見ず知らずの男の人とメル友になるのは抵抗があったが、「メル友」という存在に押されて、そんなことはどうでもよくなっていった。
『ユウさんおはようございます。元気ですか?私は風邪を引いてしまって・・・でもメールの返信はできるので気を使わないでくださいね』
私はメールを送信した。
すると、一分もたたないうちに返信されてきた。
『おはよう。風邪は大丈夫?ゆっくり休んでね』
『はい大丈夫です。熱は無いので。』
また返信する。
このやり取りが、楽しい。
次の日の朝、メールをその人に送るのを忘れて学校へ行った。
帰って来てから、友達のメルアドを登録するために携帯を手に取った。
すると、
50通以上のメールが、ユウさんから届いていた。
「な・・・何これ・・・」
一通一通確認すると、
『おはよう。今日はメールそっちからくれなかったね。俺のこと忘れて学校行っちゃったのかな?そんな子にはおしおきが必要だよね』
『ねぇ、返信まだ?』
『ねーねー』
『超暇なんだけど』
『おしおき決定だね☆何がいい?』
すべてこんな内容。
私は怖くなって、ユウさんとの関係を断ち切ろうと、アドレスと送られてきたメールを削除した。
すべて削除して、ほっと一息ついていると、また私の携帯の着信音が鳴り出した。
ケータイを手に取るのが怖くなったが、頑張って手を伸ばした。
『ミイちゃん、学校お疲れ。まさか俺のアドとメール削除してなんていないよね?』
「ど・・・どうして分かるの・・・?」
ぞっと鳥肌がたち、ケータイをベットに放り投げた。
まさか、私のことを監視している・・・?
そんな思考が頭の中を巡った。
私は部屋の中を見回した。
どこにも人なんていない。
いるのは、私だけ。
私はもう我慢できなくなって、ベットに倒れ込み、布団をぎゅっとかぶった。
するとベットに放り投げたことを忘れていたケータイが、足元で鳴り出す。
『ベットにもぐりこんでも無駄だよ?俺はいつでもミイを・・・いや、田崎理沙ちゃんを監視しているんだから・・・」
え・・・・
どうして私の本名を?!
体の震えが止まらない。
これは・・・警察に届けよう。
私は躊躇わずに外へ飛び出た。
「やぁ。理沙ちゃん♪」
そこには、30代~40代に見えるおじさんが立っていた。
「ま・・・まさか・・・あなたが・・・ユウさん・・・!?」
腰が抜けてしまって、逃げたいのに逃げられない。
このままじゃ・・・
「そうだよ?そんなにおびえなくてもいいじゃないか。俺達はもう結ばれてるんだからさ♪俺はメル友で知り合った女の子を、殺さないと気がすまないんだよ・・・ハハっ」
「ひっ・・・・?!」
声にならない悲鳴を上げながら、私は車の中に連れ込まれた。
「静かにしてなよ。」
もう声が出ない。
森の中に連れていかれた。
どこの森かなんて、わからない。
反抗する勇気なんて残ってない。
もうあたりは暗くなっている。
男はこれまで無言で運転していたが、森の奥まで来ると車を止め、口を開いた。
「ねぇ、今から理沙ちゃんはどんな目にあうでしょうか♪」
男はそういうと、車を降りて、助手席のドアを開けた。
私を持ち上げて、地面に、座らせた。
「さてと・・・」
「むぐっ?!」
私の口をガムテープで封じ始めた。
鼻も一緒に。
苦し・・・っ
もちろん呼吸が出来ない。
次は、腕と足をロープで結ばれた。
動けない・・・
「ゆーっくりとその苦しみを味わいな。気持ちいいだろ?時間がたてば、この世とおさらばできるよ♪」
男は車に乗り込み、山道を降りて行った。
これが、私が人生最後に見た光景。
翌日、一人の女子中学生が、山奥で窒息死しているのが見つかった。
それは大ニュースとなり、日本中に伝わった。
メル友は・・・(バージョン2)
インターネットって、やっぱり怖いですね。
これを書いていて、ぞっとしました。