主婦の奇妙な夢2

「セーラ」

「セーラ!! 」

振り落とされないように必死に捕まっていた馬の背中。彼に呼ばれ、揺れていないのに気が付き私はゆっくり上体を起こした。
そこはレンガで作られた家が並び、たくさんの人がせわしなく買い物をしたり、商売をしている。
その様子を私たちは少し上がった丘の上から見下ろす。

「セーラ? 」

先に馬の背中から下りた彼が不思議そうに私を見上げている。

「えーっと」
どうしていいか分からない私に手を差し出して下りるように促す彼。

遠慮なくその手を借りる事にした。
お姫様抱っこまでされたんだし今更、悪いなんていう遠慮は無意味な気がした。
それにこれは夢に決まっているんですもの。

というか、なんて都合のいい夢なのかしら?
かっこいい男の子にお姫様抱っこ。それに彼と私は恋人同士かしら?
これって私の潜在意識の中の願望?

ーーだけど

私、年下には興味ないんだけど……。

彼を見上げると、細身だけどしっかり筋肉がついている。いわゆる細マッチョってやつかしら。

ふと振り返り優しく微笑む彼。
うん。やっぱりイケメン。キュンときてしまう。

いいよね。
夢なのだからキュンときても…

主婦の奇妙な夢2

主婦の奇妙な夢2

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-03-24

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