負けに行く

社会は多様性に溢れてる

世の中は生き辛い。

高校を卒業するまでは世界がこんなに広いことなんて学校はもちろん教えてくれなかったし、周りの友人も、家族も教えてはくれなかった。
人生のレールは高校卒業→学生→就職→結婚→出産と疑いの余地も無く続くものだと思っていて、それが存在しない人生は無いように思えた。というか存在しないと思っていた。
大学生になってちょっとだけ世界は広がった様な気はしたけど、根本的には変わらなかった。
人生のレールから少しでも逸れると、負け組・落ちこぼれと為される世界。だから皆は必死でそのレールにしがみついてるんじゃないのかな。
たまにそのレールを持たない人がいるのだけれど、集団の中ではマイノリティになり、異端な存在となり、「変わっている人」の括りにされ、なんだか見えない線を多くの人は引いてるんだよな。
その世間一般的な人生レールに多少の違和感を覚えながらも、18年間そのレールを教えられた私は、簡単にレールから外れられなくなってる。
本当は負け組になりたいし、落ちこぼれたいのかもしれなかった。でも方法がわからないし、多少自分を演じても多数に紛れた方が楽だからその波にのまれる。

人生は負けても道があるって事をもっと学校でも教えてほしい。社会はこんなに多様性に溢れてるのに放り出されてからしか気づかない。
私は大人になって初めて負けてもいいのだと知った。というか一生負けない人生の方が少ないのではないか。だから劣等感なんて感じずに進んで負けに行こうと思う。
マイノリティでもいいじゃないか。
一般的な人生のレールにのってものらなくても良い。人生は終わらない。勝ち組、負け組の括りがそもそも変だよね。
でも世間一般的な人生のレールが勝ち組なのだとしたら、
私は進んで負けに行こうと思う。
そういう人生でいい。
そしたら世の中は生きやすくなった。

負けに行く

負けに行く

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-03-23

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted