炭酸

太陽ver

日が輝くときが終わりかけ

いつもの夕日が二人をてらす

自販機で買った炭酸ジュースを片手に

いつもの道を二人で歩く

いつもの二つ並ぶ影

となりにいる君の声をききながら

私は一歩前にでて炭酸ジュースを一口流しこんだ

君は私の手から炭酸ジュースをとり

一口流しこみ私に近づいた

影は一つになった。

炭酸ジュースのあわがはじけ二つに流れた

いつもとおなじ夕日が

いつもとちがう二人をてらした。

三日月ver


帰り道

いつもの夕陽  いつもの自販機

君と並ぶ影

同じとき
隣にいる君が
しゃべる声が
好きになっていく。

この胸の熱さを
気づかれないように

君と同じ炭酸を流し込んだ。

夏のにおい
レモンスカッシュの恋の味

触れた唇から 微かにはじけた 炭酸の音。

太陽ver 〇

私たちの関係は炭酸でできている。

炭酸のはじけるスピードのようにあなたを想う私の心臓は高鳴る。
あなたは炭酸のはじけるあわのように私のそばからきえていく。
私からきえたあなたはあの人のところへ行ってしまう。
私はアパートの玄関で立ち尽くす。

炭酸のはじけるスピードのように私の心はひえていく。
私は炭酸のはじけるあわのようにあなたのもとへ行く。
あの人を残してきたことの後悔はきえない。
私はあの人に背を向けて、あなたとの幸せを手に入れた。

炭酸がはじけるのは必然のことだ。
炭酸がはじけるスピードが速いことも知っている。
あなたが私のもとへくることも必然のこと。
しかし、やっと出会えたあなたはひえきっていた。
私はそのことから目をそらして君と共に歩く。

三日月ver 〇


炭酸のはじけるスピードで
私の中の想いは 増える

はじける泡は
君と消えた

1つになって いく


1つになって いく

炭酸

炭酸

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-03-21

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  1. 太陽ver
  2. 三日月ver
  3. 太陽ver 〇
  4. 三日月ver 〇