無形の落とし児

どうして神は、人間をつくり 人間を壊す禁断の果実を創ったのか。

私たち人間は、神の玩具。

神が自ら創りだした 玩具。

私たちは所詮 玩具にすぎない。

だから、死 が訪れる。 死が訪れた そのときは
神に捨てられたも同然。だって、神からしたら私たちは玩具
遊べなくなった玩具はいらない。

そしてまた再生するの、 子宮の町で。

夢と愛

夢を見た。僕が産まれた時の事。僕が産まれる前の事。

産まれる前、僕は子宮の町にいたんだ。

子宮の町には、沢山の子供達がいる。

今から地上に行こうとしている子供や、何らかの事情で帰って来た子。
あげくのはてにわ、産まれてすぐ 親に殺された 子供。

産まれてすぐ殺された子供は、特別に子宮の町に
帰って来ることが許される。

だって、神が間違えて落とした子供だから 無形の落とし児 として扱われる。

なんて 残酷で忌まわしい世界なんだろう。

僕はそんな世界に今から落とされる。神は僕を落とす前に
一言いうのだ      「美しく生きてね」

僕は笑って手を振った 神は僕に背を向けた
まるで僕が 無形の落とし児 になるかの様に



僕は、真っ赤な世界に辿りついた
サーっと言う音しか聞こえない でも、今までにないくらい落ち着く場所だ。
僕は深い深い眠りについた。


真っ赤な世界いに来てどのくらい経つだろう。
でも、微かに人の声が聞こえる  あ~、これが僕の親になる人の声なんだ。

月日が経つに連れて、いろんなものが聞こえてくるようになった。

そして僕が産まれる一か月前、僕に名前を付けてくれた。
寿が来る と書いて 寿来<じゅらい>
僕は、その名前がとても好きになった。

一か月経ち 僕は地上に産まれた。
母になる女の人は、僕を見て笑顔で泣いている。父になる男の人は、僕を見て僕の名前を叫んでいる。

だから、僕も 「ここに居るよ」っと泣きわめいた。

現実の闇


僕は、懐かしい夢を見て起きた。

時計を見ると まだ、真夜中の三時だ。
眠い という気持ちもあるが、痛い思いをして
起きるよりましだ。

とりあえず、散歩にでも行こう


外に出て空を見上げた 空にはまんべんなく星空が輝いている。
とても美しい...このまま 消えて無くなりたいぐらいだ。


なんて思いながら、家の周りを二周ほどして
帰宅した。

玄関を開けた途端、暗闇の中から
僕をめがけて刃物が飛んできた

「っつ…、」 痛い! 僕は玄関にうずくまった 
足首を少々かすっただけだが
考える間もなく、 父と呼べる人間 は 僕を笑いながら殴り 母と呼べる人間 は見て見ぬふりを
している。


「痛い 痛い 痛い!!!」僕は泣き叫んだ
誰も助けてわくれないが、僕が正気をたもてていられる方法は、これだけだ。


気が付いた時には、玄関に一人だった。

部屋に戻り、けがした所を治療して制服に身を包み
何もなかったように家を出る。


外に出れば、そこには 唯一の幼馴染が
待っていてくれる。


「お、おはよう…」

「おはよう」僕は大丈夫だよ っという笑顔で宙に言った。

宙は安心したかのよに僕に「あのね!!…」っと話かけてきてくれる。

宙は僕が五歳の時に、知り合った友達なんだ。

米空 宙 <よねぞら そら> 
元気いっぱいの女の子 僕の支えでもあるかな…(笑)

「…らい…寿…来…寿来!!!」

ぼーっとしていたせいか宙に怒られた。でも、宙の怒る顔は好きだ
なーんてな(笑)

「もう!学校着くんだから、しっかりしてよね!」

「…ごめん」

「分かればよし! んじゃ、行こう!!」

宙は僕の手を握り、笑って連れて行ってくれる。

僕はこの手に安心する まるで、まだ真っ赤な世界に

居たころのように…。

毒と愛


午前 8時 校門をくぐり教室に行く。
僕と宙のクラスは2-Aだ。



一年生の時から一緒だから
今、離れてしまったら
きっと僕は駄目になる。
もう、17歳なのにな…笑

そんな事 思いながら
宙といつも一緒に行動する。

周りからは 「お前ら付き合ってんの?」
なんて言われるぐらい仲が良く見える
らしく…
だが 僕はそれでもいい!と思えるけど
宙の方がどうなのか気になる…

って僕 なに思ってるんだろ!!
なんて1人で真っ赤になってると
宙から 「なに 真っ赤になってニアケてるの」って言われて、またもや動揺して
しまった。はぁ…恥ずかしい


全ての授業が終わり 放課後の
チャイムが鳴り響く。

僕は放課後のチャイムが嫌いだ。
また、あの家に帰らなきゃだから…

次は何されるか 分からない…
恐怖と不安に襲われる。

宙は僕の手を強く
握ってくれる。
あぁ…このまま逃げてしまいたい。
なんて 望んじゃ駄目なのかな…

叶うことのない思いを押し殺し
帰る事にした。

帰り道 宙は 僕に話かけてきた
「あのさ…あの、寿来 両親から
虐待受けてるよね…?」

僕は一瞬戸惑った 「えっ…?」

「傷…会うたび増えてる
それに、寿来の家から 叫ぶ声が
多々聞こえてたの…だから心配してて」

泣きそになった 。 誰も気づいてくれない
誰も助けてはくれない。って
思ってずっと我慢してたから…

でも 僕は「虐待なんかじゃないよ?遊びなんだ!だから、心配しなくて大丈夫だよ!」

誰も巻き込みたくはないから…
嘘ついちゃった ごめんね 宙

「そ、そっか!なら、大丈夫だね!
ふ〜っん どんな遊びしたら悲鳴なんて
出るのかな。笑 なーんてね。」

寿来の家が目の前に来た

「じゃあ、また 明日ね!」

宙は大きく手を振る

「うん!」と僕も笑顔で返す


玄関を開け、親が居ない事を
確認する。
両親は居なかった。僕は少し安心した

自分の部屋に行き 制服を脱ぎ
ベッドに横たわる。

僕は考えた…
虐待を受けなきゃいけない理由
それは 両親からして どのような意味が
あるのか…
僕が駄目な子だから 両親は僕を
嫌うのか…

考えて行く内に僕は眠くなってしまい
いつの間にか 寝ていた…

はっ?!と思って起きたら
下から 「寿来 ご飯よ!」と声が
する 。僕はびっくりした
何年ぶりに 僕の名前を呼んでくれたんだろ… 僕は嬉しくなり 返事をした「はい」

下に行ったら 暖かいスープが
並べられていた。

「ねぇ 寿来 お母さんと お話しましょ?」
母は僕をみて微笑んだ…

何年ぶりに 話すだろう

「ねぇ 母さん、どうして父さんは
僕に暴力を振るうの?」

っと聞いて 母は少し黙っていたが
「寿来の事を愛してるからよ」

僕はびっくりした。言葉が出なかった…
目の前に置いてあった マグカップを
口に運び 僕はゆっくり飲んだ

っとその時 お腹に激痛が
走るっ!「っつうゔぁぁああ!!」
痛い 痛い 痛い 僕は椅子から
落ち もがいた。
痛い …どうして?なんで…?
母は僕を見て
笑ってる。

そして僕に言ったのだ

「ねぇ、苦しい?お母さんはその痛みに耐えて貴方を産んだのよ?なのに…貴方は
私を裏切ったのよ?
これは、お母さんからの罰よ?

それにどうして今だに 愛されてるなんて
勘違いをしているの?
貴方はそんなに醜いのに。誰も貴方を愛してはくれないの。」


その言葉で 僕は絶望した。

意識がもうろうとし始めた…
あぁ、僕 死ぬのかな。
実の母親に殺されるのか 嫌だな…

なんて思って僕の意識は落ちた

ぴーっぴーっという音がする
目を薄っすら開けて 生きてるか
確認する。

ぴーっぴーっとなっていたのは
僕の目覚まし時計だ。
いつ 部屋に来たのか覚えていない。

が、まだ、微かにお腹が痛い…

昨日の事は 忘れたくても
忘れられない。頭に焼き付いて離れない
母の言葉 母の笑み まるで 悪魔だ。

母に会うのが 怖くなった…
だけど 僕の中で何かが
変わっていた

僕はそれに気づいてた
だけど 怖くて目を背けてた
今なら自分と向き合える…

向き合った結果
それは...

罪の華

僕は、朝を迎えた カーテンの隙間から朝日が覗く
僕はカーテンを開けた 家の前で宙が僕の事を待っている姿が見えた。

だけど僕は知らないふりをした。どうせ、学校に行っても
この家に帰ってこなくちゃいけないのは変わらないから。

僕は考えた どうしたら この歪んだ世界で生きていけるか… 
ふと頭の中に、 けして人間が犯してはいけないこと… と出てきた。

でもためらうことは、なっかた …

≪どん ドン どん≫ 「あ、父が上がってくる」また、殴られるのか…そう思うと体全体が震えた
息が荒くなるのが自分でも分かる  咄嗟に僕わ机の上に置いてあった
鋏を手にとった。

 ≪がっちゃ≫ドアが開いた瞬間僕の周りに
真っ赤な彼岸花が咲いた 沢山の華 とても美しい…
≪ぐちゅぐちゃぐちゅぐちゅ≫僕は笑いながら華をつんだ

もう、分からなくなっていた なにがって?  それは これが本当に父の死体かってこと
顔も腕も足も何もかも ぐちゃぐちゃだ。

僕は父に一言いった 「美しく生きてね」

僕は死体をちっちゃく解剖した そして、プレゼントボックスにそのまま入れた

夕方になり母が帰ってきた 僕は父が入った箱を
リビングの机の上にそっと置いた。
母はそれに気ずいた。母は箱の上に置いてある手紙と一緒に
箱の中身を見た…

母は狂ったように泣きながら叫んでた。
僕は笑った。 その瞬間 刃物が僕の目の前で
止まってた。でも、僕の方が華をさかせるのが早っかったみたいだ。

母は最後に僕に言った「あ..なた..は、さい…ごの最後まで..誰に…愛して…なんか…もらえないわ…」

僕はそれでもいい と心の中で言った。
華は僕の目の前で 一瞬にして沢山さいた

まるで、彼岸花の花畑みたいだ。

夜になり、僕は父と母が寝ていた
寝室に箱を二つ持ってきた  左側に父 右側に母 そして真ん中が僕
布団の中に入り考えた


僕がしていることが 人間として
して犯してはいけないことでも
僕が生きていく中でこれが 僕の術なんだ…

そんな分かりきったことを考えながら
僕は 深い眠りについた…



父さん…母さん… 行かないで…僕を一人に
しないで…
父と母わ僕の首をもって言うのだ

『一人になりたくないなら 早く…死んで』

ああ、怖いな…これが夢でありますように。

無形の落とし児

この物語は、私が共感したものだけを
集めて小説にしています。

不愉快にしてしまいましたら
申し訳ございません。

今後とも、無形の落とし児 をよろしくお願いします。

無形の落とし児

  • 小説
  • 短編
  • 青春
  • ミステリー
  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-03-20

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

Derivative work
  1. 夢と愛
  2. 現実の闇
  3. 毒と愛
  4. 罪の華