ナイショの関係

リクエスト✩︎セブルス夢(大人)
裏無しになってしまいました、すみません



『セブ〜♡これあげる』

「騒がしい、いらん」

『あら、折角この鼻血ヌルヌル・ヌガーをかわいらしくデコレーションしたのに』

「……教師といえど、必要であれば罰則を設けることも可能なのだが?」

ヒトミ・リリアドール。
ホグワーツ魔法魔術学校の講師であり、生徒からも人気の先生だ。

「ヒトミ先生、またスネイプ先生に怒られてるよ…」

「仲悪いのかしら…」

今日も、生徒たちの前でそんなやり取りをしているため、生徒たちはあるものは微笑ましく、あるものは心配そうに眺めている。

『あら?私とセブルスは仲良しよ?ね、せbΣいったい!!』

「…本日の業務が終わり次第、私の部屋に来るように」

『はぁ〜い』

本で叩かれた後頭部を摩っていると、生徒たちに心配される。

「ヒ、ヒトミ先生大丈夫…?」
「スネイプったら相変わらず無愛想でデリカシーのかけらもないんだから…」

『ふふ、私なら大丈夫よ。さ、休憩時間もそろそろ終わるから、みんなそれぞれ準備してね』


そう、ヒトミはスネイプに嫌われているわけではない。
なぜなら──



**


コンコンコン

『私よセブ』

「入りなさい」

セブルスの部屋。
本がずらっと並んでいたり、よくわからない薬品が並んでいたり。
でも、私物と呼ばれるものはあまり見当たらない。

ヒトミは慣れたように入室する

『生徒の前で呼びつけちゃって、何かご用かしら?あなた♡』

──そう、ヒトミとセブルスは、夫婦の関係にある。
もちろん生徒には内緒なのだが。

「……君のその四六時中変わらない明るい性格は相変わらずだな、ヒトミ」

『だってセブが暗いんだもの、私が元気でいなくちゃ』

「君のその、蛇寮らしくない所が私はとても好ましい」

『……』

あまりにもさらっと言われ、ヒトミは思わず固まってしまった。
セブルスが赤い頬を隠すように咳払いをする

「ゴホン…とにかく、君を呼び出したのは他でもない。…これを」

真っ白な封筒を手渡される

『私に手紙?セブルスから?』

「いや、君のロッカーに入っていた」

『差出人の名前もない…誰からかしら』

封筒を開け中身を確認すると、そこには短い文で一言〝ヒトミ先生、あなたが好きです〟と書いてあった。

『ラブレター…』

「随分と物好きがいるものだな」

『失礼な、こう見えても私モテるんだからね!』

明るく、茶目っ気があり誰にでも優しいヒトミは、時折こうして愛を綴った手紙を貰うことがある。

『セブがそんな態度なら私だってこの子に乗り換えちゃおうかな』

「………」

冗談で言ってみただけなのだが、セブルスはムッとした表情でヒトミを見つめる

『だってセブったら、普段から好きの一言も言ってくれないじゃない』

「…愛の言葉はそう軽々しく口にするものではない」

『女はいつだって愛されたいの!もう、そんなんだからみんなから怖がられ……わ』

セブルスはヒトミの手を取りぎこちなく抱きしめた。
表情はわからないが、冗談でこんなことをする人間ではないのはヒトミがよく知っていた


「愛している」

『…ふふ、私もよ、セブルス。あなたが一番好き』

「…僕だけを見ててくれ…」

聞こえるか聞こえないかギリギリの小さな声でそう呟き、体を離そうとする。
離す瞬間、ヒトミは少し背伸びをして唇を重ねた

『あなたも、私だけ見ていてね』

「ふ、当然だ」

『じゃあ、おやすみなさい』



**


『セブルス、今日はちゃんとしたお菓子を作ってきたの!』

「懲りないな君は、今日はいったい何を…」

『5個のクッキーのうちどれか一つはゲーゲートローチを砕いたのが入ってるわ!』

「………」

『あっちょっとセブルス!』

無言のまま立ち去ろうとするセブルスを引きとめようとした時、1人の男子生徒とぶつかってしまった

「いたた…」

『ごめんなさい、怪我はない?』

「平気で…あ、ひ、ヒトミ先生!」

『うん?』

「あの、僕からの手紙、読んでくれましたか?」

どうやら先日の手紙の差出人は彼だったらしい。見た所ハッフルパフの生徒だ。

『あぁ、あれ貴方だったのね、えっと…気持ちは嬉しいけど、もう少し大人になってからね』

手を差し伸べ生徒を立たせると、その生徒は諦めず食い下がった

「僕本当に先生のことが好きなんです!僕と結婚してください!」

『うーん、でも…』

「大人になったら、先生の指に綺麗なリングをあげますから!」

ここまで本気で言われたのは初めてだった。
ヒトミがどうしようかと悩んでいると、立ち去ったはずのセブルスがやってきてヒトミの手を掴み、そしてそこに口付けをした

「残念だが──」

男子生徒を睨むその目には、大人げだとか、そう言うものは一切なかった

「この指は私のものだ」

その生徒だけでない。その場にいた様々な寮、様々な学年の生徒たちにも、聞こえているだろう

『せ、セブルス…?』

「彼女は私の妻だ、手を出すというのならそれ相応の覚悟はできているのだろうな?」

男子生徒は、脱兎のごとく逃げ出した。
そしてその場にいた皆、生徒のみならずヒトミまでも、驚いた顔をしてセブルスを見ている

『セブルス、あなた…内緒って…』

「妻に虫が寄るのが煩わしくなったものでな」

しかも当人は開き直っている。
こうなったセブルスは強い

「せ、先生とスネイプって…」

『えっと…えぇ、そうよ。結婚していたの』

女子生徒が、信じられないというような顔でヒトミを見つめる。
ヒトミは精一杯の笑顔で言った

『素敵な旦那様でしょ♡』



それから、初めは皆会うたびに複雑そうな顔をしていたものの、ヒトミとセブルスが結婚しているという事実が広まりきる頃には前のように笑顔で接してくれるようになったという。



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ナイショの関係

ナイショの関係

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-03-19

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