蛇の恋

リクエスト✩︎セブルス夢


『セーブールースっ!』

「わっ!…な、なんだ、ヒトミ…」

『ねぇ、今日授業が終わったら一緒にホグズミードに行かない?』

「あ…す、すまない、今日はリリーと先約があるんだ」

『…そう』

ヒトミは肩を落とした。
リリー・エバンズが誰かと言えば、同じグリフィンドール寮で仲も良いので良く知っている。
美人で、しかしそれを鼻にかけない。とても優しく、先生方からの評判も良い。まるでみんなの憧れの的のような人だ。


『…セブルスってばこの間もリリーと一緒だったなぁ…』

結局、その日ヒトミは1人でホグズミードへ。
ぽつりと、誰に呟くでもない独り言を呟いた。すると

「やぁヒトミ、1人?」

『わ!リーマス!うん、1人なの』

「珍しいね、いつもはスネイプと一緒なのに」

鳶色の髪をキラキラと光らせて笑顔を向けるのは同じ寮のリーマス・ルーピン。
彼もまた、1人だった

『ルーピンこそ、シリウスやジェームズと一緒じゃないの?』

「ジェームズ達はゾンコの店に行ったよ。僕は今からハニーデュークスにでも行こうかなって…そうだ、ヒトミもおいでよ」

『私も?』

「うん、この間新しいチョコレートが出たんだよ、とっても美味しいから君にも食べてほしくって。プレゼントするよ」

『本当に?ありがとう!じゃあ行きましょ』


**


リーマスはジェームズ達とは違う。
セブルスをいじめたり、彼にひどい事をしたりしない、とても優しい人。
だと、思ってた

『リーマス…あのチョコ、何か…入ってたの?』

「言わなかったっけ、あれウイスキー入りのなんだけど…もしかしてヒトミ、お酒弱い?」

『かも、しれない…』

体がふわふわする。幸いにも具合が悪かったりそういった事はないが、不思議な感覚が体を襲い1人で歩けそうにはない

『んん…リーマス…』

「ふふ、酔ってるヒトミかわいい」

『んぇ、あ…っ』

一瞬の事で、何が起きたのか分からなかった。
リーマスの顔が近づいたかと思えば、チョコレートの甘い匂いが濃くなり
気づいた時には、唇を奪われていた。

『り、ま…す…?』

「……あまい」

子供のように笑うリーマス。
でも、子供がする事ではない。
ヒトミはふわふわする頭で、どうにか現状を考えようとしていた。

しかし

「───ヒトミ!」

『せ、セブルス?』

急にリーマスと体が離れたかと思えば、怒ったような表情のセブルスがそこにいた。
リーマスを睨みつけ、声を荒げている

「ルーピン貴様っ!何を!」

「何って、ヒトミが寂しがってたから僕がその心を暖めてただけだよ」

「そんなもの必要ない!」

「必要ない?」

リーマスの表情が少し変わった。

「君がヒトミを1人にしたんだろう?リリーとの約束だかなんだか知らないけれど、君がヒトミにあんな寂しそうな顔させたんだよ」

「…それは」

『ね、ねぇ!…その、セブルス、顔色悪いよ、バタービールでも飲みに行こう?』

びりびりした空気に居た堪れなくなり、ヒトミは慌ててセブルスの手を取る。

『リーマス、チョコありがとうね!…え、えっと…また、明日!』

「………うん、また明日ね」



**

最初はヒトミが先導していたものの、いつしか無言のセブルスに手を引っ張られホグワーツ内を歩いている。

『ごめんね、私さっき酔っちゃってて、リーマスはその介抱を…』

いくら言っても、彼は無言のままだ。
嫌われたのだろうかとヒトミが涙ぐむと、誰もいない教室に入ったセブルスがくるりと向きを変えた

「ヒトミ」

『う、んっ!?』

ぬるりと。
先ほどリーマスがしたように、いやそれ以上のスキンシップだった。
それが何か知るまで時間は要さなかった。セブルスの舌が、ヒトミの舌に絡みついている

『ん、んっ…』

息継ぎをする暇もなく、何度もなんども口内を犯される。息苦しさから息は上がり、次第に顔が赤らんでいく。
ぞわぞわとした感覚が背筋の登り、頭をしびれさせる

『せ、セブルス…』

「僕が好きなのはヒトミ、君だけだ」

『へっ』

「リリーの事は家族のようにしか思ってない、だから…」

彼もまた、若干赤らめたような顔で言う

「他の奴と、あんなことしないでくれ…」

そう言って、また口づけを交わす。

「ヒトミ、…」

そのままネクタイを外し、シャツのボタンを外し始める。
ヒトミは慌ててそれを制止した

『ま、待って…こんな所で、人来ちゃうよ!?』

「来たら見せつけてやればいい」

『そんな…あっ』

スカートの裾から手を入れられ、太ももを撫でられる。
優しいような、焦らすようなその手つきに、ヒトミの口からは甘い声を漏らした

「ヒトミ、ルーピンに何をされたんだ」

『な、何も…っ』

「キスだけか?」

何度も首を縦に降る。
それも自らした訳ではないのだが、この状況でそんな事は言ってられなかった

セブルスは足の間に顔を寄せ、太ももを舐めた

『っひゃ!?』

「…チョコレートの匂いがする」

『は、ハニーデュークスに、行ったから…!』

「嫌な匂いだ、…ここからは、もっと甘い匂いがする」

そう言い、下着越しに敏感な其処を突かれた。

『ん、ぁっ』

「この匂いは、好きだ」

『や、やだセブルス…っ』

無遠慮に、しかしどこか優しく擦られる。
強弱をつけて、撫でるように、たまに突くように、刺激される

『や、ぁっ…ん』

自然に漏れる声を抑える術はない。
誰もいないとはいえ、いつも勉強している教室でこんなことをするなんて。背徳感すら快感に変わってゆく
だんだんと、音が水気を帯びたものに変わっていくのがわかった

「随分気持ち良さそうだな、…これももう、すっかり濡れてる」

抗う間もなく、するりと下着が降ろされた。
すっかり濡れた其処と下着が離れる時、透明な糸を引いていたのを見てセブルスは嬉しそうに笑った

『せ、セブ…お願い、もう…』

「…その顔、僕以外には見せないでくれよ」

『う、んっ』

机に押し倒され、ゆっくりとセブルスの熱いものが入ってくる。
少し苦しいが満たされる感覚に浸っていると、それが動き始めた

『ひぁっ』

「っきつ…」

動きは段々と早まっていく。奥まで突かれ、気持ちのいい所を重点的に刺激され、思考が段々と溶けていくような感覚だ

『せ、ぶるすっ、そこ、やぁっ』

そう言うと、動きを止める事はなくむしろそこをグリグリと突かれる

『んにゃ、あ、んぅっ』

「っは…可愛い…な、っ」

『セブルス、も、きもちい?』

「…あぁ、溶けそう…っだ」

ヒトミの甘い声と、セブルスの抑えるような声、それから2人の交わる音だけが教室に響く。
誰かに聞かれるかもしれない、フィルチが見回りに来るかも──なんて、考えれば考えるほど感じでしまう

『セブ、もう…っ』

「僕も、…っ一緒に、イこうか…?」

『うん、…うんっ』

手を繋ぎ頷くと、動きが速くなる。
2人が同時に限界を迎え、達する瞬間、セブルスは口付けをし耳元で囁いた

「ヒトミ、愛してる…っ」



**



「ヒトミ、その…これ」


後日、セブルスから手渡されたのは可愛らしいネックレスだった。

『かわいい!どうしたのこれ』

「女性へのプレゼントなんて解らなくて、リリーに相談して選んだんだ。…どうかな」

『…』

そのために、2人で一緒に行動していたのか、とヒトミは合点がいった。
黙るヒトミに、セブルスはおずおずと彼女を見つめる

「き、気に入らなかったなら…『ううん!』」

『とってもかわいい!ありがとうセブルス!』

「…よかった」

『あのね、セブルス』

早速ネックレスをつけ、ヒトミは微笑んだ

『大好きだよ』



EnD

蛇の恋

蛇の恋

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-03-19

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