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溺れてる。そう思った。
波は穏やかだが、真っ暗であたりが見えない。体は沈み長い自分の髪がゆらゆら揺れる。胎児の体勢をとり、このままどうなるんだと不安になってもがいて、もがいてもがいた。
体は思うようには動かない。
なんで、こうなってしまったのか
みんなは上手に泳ぐか沖に上がってるというのに。
ポツリポツリ、泡をはくと、上へと上っていく。
気だるげな目で追うと案外近くで弾けた。
もう一度泡をはくと今度も同じ場所で弾ける。
体の力を抜くと自分は上へと上っていく。
それから消えるのではなくて、水面から顔を出せた。
そこからは案外近くにみんなが楽しいそうに遊んでる砂場が見えた。

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  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-03-19

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