王道ラブコメなんて信じない12

野菜の音

かなり時間を空けたがお久しぶり。
と誰宛なのか分からない挨拶はおいておくとして地下室の扉に着いたところだ。
「なかなか、不気味なところじゃないか」
明らかに恐怖感を煽る陰湿な雰囲気に古い錆びた扉。南京錠と鎖でガッチリ閉ざされている。蹴らなくても開ける方法はいくらでもある。
「何だそれは」
呪詛のような文字が書いてある紙切れを出した。
「除霊効果のあるお札だ」
「何でそんなのを持ち歩いているのかな?」
「婆ちゃんが「お守りに持ってなさい」って言って毎回貰うんだよ。そんなにいらないからこれだけを常に持ち歩いている」
まぁ婆ちゃんは北海道だし嘘だけど、何故か家に毎日届くんだよ。何かの呪いか?
「明らかに除霊に関係なさそうだよ?「爆」って書いてるしそれは爆発するよ」
「爆発するかどうかはやってみなきゃ分からないだろ?」
「リスクが高過ぎる気がするのだけど?」
「そ、そうだよ。リスクヘッジしないとっ!」
「ひ、左に同じくっ!落ち着くのだっ!」
慌てふためいている一同を無視して扉に貼り付ける
「もう貼ったから術式使うよ皆離れて下手にはがすと爆発するからやめてね」
「「「「おいっ!」」」」

「派手に爆発したね」
錆も綺麗に剥がれて綺麗になった。
「不思議な事にドア以外に被害がないね」
「当たり前だ。霊力が高いところ以外には効果が無いからな」
現実離れしすぎて自分でも拍子抜けしてしまうほどだ。え?ファンタジーものじゃないだろって?細かいことうるさいぞ。
「え?じゃ、じゃあドア付近に幽霊がいたってこと?」
幽霊が爆発四散していたら面白そうだが…。
「まぁ、そういうことになるな。とりあえず中に入ってみるぞ」
終始不良が騒いでいたがお構いなく進んだ。

「カエシテ…」
「まぁ、こんな感じで下半身のない幽霊も出てくる訳だ」
下半身どころか目も無いし、ほんとにここの校舎で何があったんだよ
「で、でたっ!は、早く逃げないとヤバイよっ!」
「そんなヤバくないだろ?」
「それフラグだよ。星宮君」
そんなわけないだろ。迷信だ。さ、物色するか。
「ちょっと待て。そこのお札持ってるお前」
鼻と口だけの幽霊が誰かを呼んだ。え?見えるの?目がないのに?
「俺のことを言ってるのか?」
「お前以外にお札持ってるやつはいないやろ?私は一応幽霊だ。怨念が強いから霊感が無くても見えるやろ?これ以上先に行くな。帰れ」
手で追い払う仕草をする幽霊。
「怨念がここにおんねんってことか。分かったから邪魔だ」
幽霊に小言を言われも気にしない。所詮は人だ。
「お前を呪うー」
「はい。お札貼って浄化。こんな感じで悪霊を消すことができるんだ」
さっきの関西弁の幽霊は綺麗に消えた。浄化札の効果強いな。流石、お婆ちゃん仕込みなだけある。
「どちらかというと星宮君の方が悪霊だよ。あっさり消えちゃったし」
「関西弁の幽霊って…」
夢もへったくれもないんだよ。幽霊だって人と話すんだよ。元々が人間だし。因幡は狐につままれたような表情してるし、面倒な奴だな。
「さ、さっきの幽霊が居なくなった瞬間に校舎全体から不気味なものを感じなくなったわね。よく分からないけどありがとね」
「そ、そういえば。そうだな!」
朧も驚きを隠せてないし、そんなに幽霊と会話するのが珍しいのか?
「うむ。これで、我の役目は終わりだな」
「資料も見つけたし帰るぞ」
「調べ終わったら帰ろうよ。関西弁の幽霊は夢が壊れる」
足尾も資料を見つけて満足のご様子だ。
「因幡とやらは足尾に依頼料払っておけよ。あいつは金に関して厳しいからな」
「う、うん」
なかなか、面白い出来事だったな。探偵部も悪くはないかもな…。

王道ラブコメなんて信じない12

王道ラブコメなんて信じない12

偶然という名の必然により集まった捻くれ者とその仲間が起こす不思議な学園ストーリー

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-03-19

CC BY-NC-ND
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