水を辿る

 忘れていたけれど、
 たぶん、
 赤い道を歩きすぎた。
 躍り続けていた、弾けていた、
 辿ることをやめてしまった。
 憂いも、マーブル色の空も。

 私が私でなくなった時、
 形態は変革して、声。
 誰のために歌っていたことか。

 色奏、辿れ。
 ダレカのために描いていたら、
 ダレカに、飲まれて、
 しまう。

 水を掴んだ刹那を、
 色を、
 弾けているはずの、
 言の葉を、

 もういちど、愛せ。

水を辿る

水を辿る

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-03-16

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