化けてやろうか

母さん知ってる?お化けがいるよー。

この家、なんかいるよね?

ひとっ風呂浴びて、今日はコーラ飲むから同じことだと頭を拭きながら思い、歯を磨かなかった。
薬を飲んで、さあ寝ようと布団に入ると、下からガラガラガラッと風呂桶が落ちる音がし、パタンと戸を閉じる音までする。

ははぁ今日も出たかと、誰もいないはずの空間に思いを馳せる。

思えば引越し当初からおかしかった。
誰もいない部屋の電気は点いたり消えたりするし、スプーンは減るし、犬は何か見えないものと遊ぶし。

一度ふざけてカメラを向けたら、写っちゃったんだな、火の玉。
ばあちゃんが、年寄りの死んだ家は縁起がいいんだよーと言うから、小さい頃に見えないお友達のいた私も、まあ良いか、と流した。

化ける幽霊、化けて見よ。化けて出るなら、引き込んでやろう。

たまに帰ってくる父に話すと、こんなにかわいそうな家族が来て向こうもびっくりしてるやろ、とカラカラ笑った。煙草でむせた。

仮)爺さん、見守ってくれよと、今日も鼻歌一つ歌う。
明日も私は元気だろう。

化けてやろうか

半分ほんとです笑

化けてやろうか

引っ越してきた我が家。でもなんか、不思議な感じ。

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  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-03-15

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