メル友は・・・

インターネットって楽しいですよね。

この前、私はメル友を見つけた。
 相手は中学二年生の男子だと言っていた。
 ユウというハンドルネーム。
 私は中学一年の女子。
 ハンドルネームはミイ。
 見ず知らずの男の人とメル友になるのは抵抗があったが、「メル友」という存在に押されて、そんなことはどうでもよくなっていった。
『ユウさんおはようございます。元気ですか?私は風邪を引いてしまって・・・でもメールの返信はできるので気を使わないでくださいね』
 私はメールを送信した。
 すると、一分もたたないうちに返信されてきた。
『おはよう。風邪は大丈夫?ゆっくり休んでね』
『はい大丈夫です。熱は無いので。』
 また返信する。
 このやり取りが、楽しい。
 
 次の日の朝、メールをその人に送るのを忘れて学校へ行った。
 
 
 帰って来てから、友達のメルアドを登録するために携帯を手に取った。
 
 すると、



 50通以上のメールが、ユウさんから届いていた。

「な・・・何これ・・・」
 
 一通一通確認すると、
『おはよう。今日はメールそっちからくれなかったね。俺のこと忘れて学校行っちゃったのかな?そんな子にはおしおきが必要だよね』
『ねぇ、返信まだ?』
『ねーねー』
『超暇なんだけど』
『おしおき決定だね☆何がいい?』

 すべてこんな内容。

 私は怖くなって、ユウさんとの関係を断ち切ろうと、アドレスと送られてきたメールを削除した。
 
 
 すべて削除して、ほっと一息ついていると、また私の携帯の着信音が鳴り出した。
 
 ケータイを手に取るのが怖くなったが、頑張って手を伸ばした。

『ミイちゃん、学校お疲れ。まさか俺のアドとメール削除してなんていないよね?』

「ど・・・どうして分かるの・・・?」

 ぞっと鳥肌がたち、ケータイをベットに放り投げた。

 



 まさか、私のことを監視している・・・?



 そんな思考が頭の中を巡った。

 

 私は部屋の中を見回した。
 
 どこにも人なんていない。

 いるのは、私だけ。

 
 私はもう我慢できなくなって、ベットに倒れ込み、布団をぎゅっとかぶった。

 するとベットに放り投げたことを忘れていたケータイが、足元で鳴り出す。

『ベットにもぐりこんでも無駄だよ?窓を見てごらん』

 恐る恐る窓を見る。

 
 開けた覚えの無い窓が、開いていた。

 
 

 その窓には、体が透けた、男の人が楽しそうに座っていた。

『やっと気づいた?俺は数年前に死んだんだよ』

 声が頭の中に響いてきた。
 
「俺と一緒に、行こうよ」

 今度はその透けた体が、喋った。

 
 その後、その人と手を繋いだとこまでは覚えている。

 でも、その後は記憶が無い。

 自分でも自分がどうなったか、どこへ行ったか、分からない。




 誰か知ってたら、教えてくれない?




 その日、一人の女子中学生が、自宅の部屋で血だらけになって死んでいるのが、母親によって発見された。

メル友は・・・

インターネットって、怖いですよね。

メル友は・・・

メル友。

  • 小説
  • 掌編
  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-05-13

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