サンタさんてホントにいるの?

文野志暢

今日は待ちに待ったクリスマス・イブ。
すずちゃんとひじりくんのお家は12月の初めからツリーを飾ってこの日を待っていました。
夜は家族みんなでご馳走を囲んで楽しくごはん。
ごはんの後はケーキを食べて、後はサンタクロースがくれるプレゼントを待つだけ。


「おにぃちゃん サンタさんはいつ来るかな? 」
すずちゃんはワクワクしながらひじりくんに聞きました
「バカじゃねーの サンタなんているわけ無いじゃん」
ひじりくんはサンタクロースを信じていないようです。
「いるもん!! 前に来た時サンタさんに手紙書いたらお返事来たもん」
「サンタなんかいるはずないだろ」
二人は小声で言い合っています。
「いいもん! おにぃちゃんがそういうなら すずサンタさん捕まえる」
そう言って、おもちゃを部屋中にばらまくことにしました。
それから おもちゃの剣を枕の隣に置きました。


それからしばらくすると、すずちゃんとひじりくんはスゥスゥと寝息を立てて寝てしまいました。

キィィィィ

二人の部屋に誰かがやって来ました。
「よし二人とも寝ているな」
それは とっても痩せているサンタクロース。
部屋の中にそおっと足音を立てないように進んでいきますが、たくさんのおもちゃが散らばっていました。

バキィ
ガッシャーン


「サンタさんが罠に引っかかった」
すずちゃんはベッドから飛び降りておもちゃの剣をおもいっきり振りかぶります。
うわぁ
サンタクロースは倒れてしまいました。


シャンシャンシャン

同時にどこからか鈴の音が聞こえてきます。
すずちゃんはその音には気が付かず、電気をつけてひじりくんに声をかけました。
「おにぃちゃん、サンタさんはやっぱりいたよ」

部屋の真ん中にはサンタクロースのような衣装を着たおじいさんがいました。
「うわぁ ホントに捕まえたのか」ひじりくんはそう言って おじいさんのひげや顔を引っ張ります。
しかし、すずちゃんはあることに気が付きました。
「あれこのサンタさん赤色じゃなくて黒色の服を着ているよ」


「危ないからパパとママ呼びに行こう」
ひじりくんはそう言って、すずちゃんの手を引いて部屋を出ようとしました。
しかし、扉が開きません。
びっくりして二人は何度も何度もドアノブを動かします。


「悪い子はどこだぁ」
サンタクロースらしきおじいさんは とてもとても低い声で言いました。
うわぁ
二人はびっくりして大声で叫びました。

パパ、ママ助けて 

サンタクロースのようなおじいさんは 叫ぶ二人に近づいてきました。
「ひじりくんは 宿題をやってないのにやったって嘘をついたことがあるね 。すずちゃんは おもちゃを片付けずに外に遊びに行ったことがあるね。そして二人とも お父さんやお母さんのお手伝いをしなかったこともあったし、お友達と喧嘩しても謝れなかったことがあるね。知っていたかい?そんな悪い子にはサンタクロースはこないんだよ」

ゆっくり、ゆっくりとサンタクロースのようなおじいさんは言いました。

ウソだ サンタさんいるもん おまえなんてあっち行け
ひじりくんとすずちゃんは怖がりながらもおじいさんに言います。

二人の言葉を聞かず、サンタクロースのようなおじいさんはニタリと笑いながら言いました。

「私の仕事はね 悪い子をお仕置きの国に連れて行くことなのさぁ 」


ポン

おじいさんは真っ黒な大きな袋をどこからか出します。
袋の中はもぞもぞと動き 「助けて、 ごめんなさい」 と小さな声が聞こえました。

それを見たすずちゃんはとうとう泣き出してしまいます。
ひじりくんも泣きそうになりながら すずちゃんを守るために必死に立ち向かいました。
「もう、悪い子にならない 宿題もちゃんとやる トモダチと仲良く遊ぶ お手伝いもやるから。だからすずを泣かすな」
ひじりくんは叫びました。
「ごめんなさい もうしないから」
すずちゃんも泣きながら叫びます。

うわーん ごめんなさい

シャンシャンシャン

どこからか鈴の音が聞こえます
ホゥホゥホゥ メリークリスマス!
優しい声が響き渡り、時計の針が反対に回りました。



キィィィィ

二人の部屋に誰かがやって来ました。
「よし二人とも寝ているな」
それは とっても痩せているサンタクロース。
部屋の中にそおっと足音を立てないように進んでいきますが、たくさんのおもちゃが散らばっていました。

バキィ
ガッシャーン

「あぶない あぶない二人が起きてしまう」
サンタクロースはもっと慎重に部屋を歩きます。
そおっと そおっと 足音を立てずに二人の枕元に行きプレゼントを置きました。
「よし できた メリークリスマス 」
そう言ってサンタクロースは部屋を出て行きました。


「ひじり すず 朝よ 起きなさい」

ひじりくんとすずちゃんはお母さんの声で目を覚まします。
部屋の中は昨日の夜にだしたおもちゃが散乱したまま。

「あっ プレゼントだ!」
枕元にあったプレゼントを見て二人は大喜び。プレゼントを持つと ひらりと紙が落ちてきました。
「サンタさんの手紙がある」すずちゃんはワクワクしながらその手紙を読みました。


ひじりくん すずちゃんへ

ことしは ちゃんと ごめんなさい をしたからプレゼントをおくるね
でも らいねんもわるいこ だったら おしおきの国につれて行かれるよ
いい子にしているんだよ

メリークリスマス!

サンタクロースより

おしまい

サンタさんてホントにいるの?

サンタさんてホントにいるの?

『サンタを信じている』すずちゃんが『サンタを信じていない』ひじりくんにサンタクロースを見せるために、夜部屋中に罠を張りました。そしたら……

  • 小説
  • 掌編
  • 児童向け
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