こんぺいとう

西木眼鏡

Twitter企画で書きました。激甘な小説です。激甘という状況に縁が遠くて期待したものと違ったらごめんなさい。

「うわ、なにこれすごく甘いね」
 僕は女の子にそう言った。
「当然じゃない。これはね、こんぺいとうって言って全部砂糖で出来ているのよ」
 それを聞いてとても驚いたのを今でもよく覚えている。二〇XX年の現在、世界中は食糧危機に陥っていて、砂糖はすごく高価な食材、贅沢品なのだ。もちろん僕ら中学生の子供に買えるような品じゃない。
「これをどこで見つけたの」
「私の家だよ」
 女の子、目の前の少女はクラスの友達だ。名前はレイ。レイの家は街の中央にある貴族街に住んでいるんのだ。父親がこの国でとても偉い地位にあると聞いたことがある。それに対して、僕の家は街の外れのスラム街だ。密かに恋心を抱いてはいるけれど、家柄という壁が立ちはだかって、きっと告白をしても貧乏人は嫌だとおお嬢様に振られるのがわかっているから、僕は絶対に言わないと決めていた。
「どうしたの難しい顔をして」
「なんでもない」
 レイがなにを考えているのか僕には理解ができない。なぜ貴族のお嬢様なんかがスラム街沿いの川辺にまで遊びに来ているのだろう。それも高級な砂糖菓子なんかを持って。
 特によく思い出すのは、夕日を眺めていた僕の隣に座って、将来はどうしたいだの話しかけてくることだ。そうして、僕が将来どうしたいのかを聞いてくる。どうしたいって、レイはわかっていないんだ。僕はスラム街の出身だから、ここを出ることができない。


 もうお嬢様はこんなところに来ない方がいいって言ったことがある。たぶんレイが一番怒ったのはあの時だ。
 僕らが大人になって、少ししたとき。子供の頃と変わらず毎日遊びに来るものだから、つい言ってしまった。街の真ん中にいれば、もっと暮らし易いだろうに、清潔な異性だってたくさんいて華々しい恋ができるはずなのだ、と。
「どうして君は毎日僕のところに来るんだい」
「どうしてって。それは好きな人がいるからよ。好きな人には毎日でも会いたいって思うのが
普通じゃないかしら」
 いくらなんでも鈍感だと笑われた。
 それからお互い付き合い始めて、今までより僕は素直にレイと話すようになった。それからすぐのことだったもう少し僕の仕事が安定してきたら、結婚をしようと打ち明けた。
「うん」と言ったレイが三日後、貴族としての地位も何もかも捨てて、僕の家に嫁いできてくれた。
 その行動力、本当に恐れ入りました。

こんぺいとう

こんぺいとう

  • 小説
  • 掌編
  • SF
  • 全年齢対象
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