時は満ちた
少年の長い旅日記
暗く光の届かないところで少年は閉じこまれていた。
14年間ずっとここの空間にいる。だから、どこに何があるかは目を瞑っていてもわかるようになっていた。
少年は外を見たことがなかった。自然と興味が湧く。未知というものは素晴らしいのだ。
そして少年は初めて主に反抗した。
鞭で叩かれ剣で背中や腹を何度も刺された。しかし少年は諦めなかった。
やっと主から許しをもらったのはその1年後のことだった
光
少年はこの日初めて太陽の光を見た。眩しく温かい。そして、温もりを知った
出でくるまでの話をしよう。この一年間を....
少年は初めて文字を知った。数字を知った,地図を知った
最低条件の計算,文字の読み書き,地図の読み方を習った。
(その前に部屋が変わったことを書かないとw)
部屋に初めて明かりがさした。元々、電気が通っていたらしいのだがそこの部屋だけブレーカーを落としていたのだった。
主は電気工事の資格を持っていた。なので電気の復旧までには時間はかからなかった。
まぁ、このようにして部屋は変わりました。
そこからの生活は楽しかった。
ごはんを食べ、味を知り、勉強の楽しさを知った。
そして名前をもらった。名は「渉」
このようなことをして、この一年間を過ごしていた。
今いるところは都会の地下、
階段を上がり、鉄のドアを開けた。
目の前には、見たことのない建物がずらっと並んでいた。
怖くなった。あの生活の方がよかったのかもしれない。
しかし、その恐怖心はすぐになくなった。
それは光を見たからだ。最初居たところは人通りが少なかったところだった。
時は満ちた