恋火

あの日に火を落としたボクの恋 滲む背中に手を振れずにいた
叩き付ける雨の音だけが二人の 離れていく想いを奏でてた

もしものチャンスもない? キミは首を振らずに哀しそうに笑う
また逢えたとしたら? ボクは迷わずキミを抱き締めるだろう

当てのない焦げ付いた恋心 今もこの胸の奥で燻ってる
どうかキミがその選んだ道が 幸せに満ち溢れていますように

再び燃え上がり時折消えそうになる 不安定な恋は歪に形を変えた
想いを消すことは今や不可能 キミを遠くから見守るだけで

まだ愛してても良い? キミは無邪気に笑って受け流している
好きだって言ったら? 黙って俯いてもう返事すらしないキミ

何より大切に恋を温めて守って 錆び付いた未練と涙色
もう二度と傍にいれないとしたら この世界は残酷で神なんていない

熱を帯びた身体と心が一つに 優しく重なっていたあの頃
本気で愛してた?「うん、本気だったよ…」

幾ら時計を逆回りさせてみても 二人の日々は戻る事はない
まだ消えぬ恋の炎を隠したボクは これからもキミの幸せを祈る

恋火

恋火

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-03-09

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