天使が墜ちる街

天使が墜ちる街

夢を見た。僕はプロペラ機で空を飛んでいて、敵を墜としに行っていた。
他にも仲間が二人いて途中までその人たちについていったが、その後の戦闘で二人とも墜ちてしまった。
相手は5機。不利な戦いだった。だが僕たちは逃げずに任務を全うした。
おかげで隊長機が2機、2番機が1機、そして僕が2機墜とし敵は全滅、任務は完了した。
苦しい戦いだった。僕も翼とエンジンに2発づつ弾を当てられたみたいで無事ではなかった。
しかし、隊長が戦闘の直前に「shall we dance」といったことはちょっと見直した。あの人もたまには面白いこと事を言うんだなって。
そして僕の機体は浮力を失いどんどん下へ。地面につくと思い目を瞑ったときに目が覚めた。
よくある夢だった。しかし、ここまで鮮明なのは初めてだった気がする。
「ふわぁぁぁ」
上半身だけを起こし横目で掛け時計を見ると、時刻は5時30分だった。
「始業のチャイムにはちと早いかな」
なんてジョークを言った。今は夏休みなので学校なんてないのに。
僕は二度寝ができないので、部屋の電気をつけキッチンに行ってコーヒーを飲む事にした。
「今日はのんびりできるな」
僕はコーヒーを片手に父親の書斎に入り、面白そうな本を一日中読む事にした。

夏休みとはいえ、いつまでも休んでいる場合ではない。宿題と言うものがあるからだ。僕は早く終わらせまいと思い、今日は図書館に行って自由研究のテーマを探すことに決めた。
図書館は最近新しくできた建物だ。僕はできてから初めてここにきた。迷わずにこられたのは、そこにあったはずのカフェによく来ていたからだ。
「はぁ、涼しい。」
中はとても清潔が保たれていて、新しい香りが充満していた。しかし人が多いのはいただけない。僕は人ごみがあまり好きではない。
さっさと探して帰ろう。
そう心の中でつぶやくと、僕は以前あったカフェの間取りを思い出しながら中を練り歩いた。
面白そうなものが何もない・・・
わかってはいた。父のパソコンを借りたほうが早いのだと。だが僕は無意識にその考えを捨て図書館のほうに足を運んでいた。
一通り見回ったあとに、角に小さいコーナーがあるのに気がついた。誰も人がいないのでここで休憩しながら探そうと思い、僕はそのコーナーに吸い込まれていった。
そこにあったのは昔の戦争時代の文献ばかりだった。戦争の話はよく聞き授業などでも習った。しかしそこにあった文献の数々に目を引かれた。
僕の父の書斎にはさまざまな本がある。この図書館と大差ないほどにだ。しかし僕はひとつないものに気づいた。父の書棚は年代順に置いてあるが何回見回しても戦争時代のものがなかった。そのことを父に指摘すると
「あれは見ても面白いようなものではないからな。」
といいその後も戦争時代の書物が増えることはなかった。
だからこそ僕はそのコーナーに興味を持った。僕は少し考えた後に戦争のことを自由研究のテーマにすることを決めた。

天使が墜ちる街

天使が墜ちる街

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-03-07

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted
  1. 1
  2. 2