今日の献立。
今日は何が食べたくなる1日だろう。
さて、そろそろ買い出しに出かけよう
朝起きて思った。
早く簿記の試験の準備しなきゃな〜。
歯を磨いて寝癖を直していると、裏の家の人が洗濯物を干しにベランダに出てきた。
いつもきっかり朝8時。朝ドラの始まる時間だ。
雨戸の開く音で私も洗濯機を回すのだけど、いつも雑事をしていて干すのを忘れる。大体昼食を食べた後で思い出す。
だから、うちの洗濯物はよっぽど天気が良くないと1日のうちに乾かない。
だけど最近はこの春模様で、パジャマの1着とタオル一枚残してよく乾くので助かっている。
この間、魔女に手相を見てもらいに都心から少し離れた館を訪れた。
むむむと唸ってから、『あんた、左手の月丘に新しいほくろができてるよ』と言われた。
見ると確かに小さな黒点が、手首の近く、小指寄りにできていて、なんでも将来物凄いリアリストになり、ロマンチックや夢幻想など履いて捨てる人物になるとのこと。
まぁ、税理士を目指しているのだし、相変わらずもてないし、それはそれで金運が上がりそうだ。そう解釈した。
預かっている子カバがお腹が空いたらしく、グーグー悲しそうな様子で鳴いている。
去年犬を亡くしてから、もうペットは飼わないと決めて過ごしていたが寂しくて、預かるだけでも世に貢献しようとフォスターに登録したら、近所の小さな動物園の園長が、『それならこの子を預かって』と連れてきたのだ。
この園長は地元のどうぶつ病院も兼任していて、以前からお世話になっていた。
この位の頃は可愛くて良いよ。それにあんたなら任せられそうだ、何、こんなでっかい庭もあるんだから何とかなるよ。
とのこと。
三年前バーンアウトして倒れてから、就職浪人と銘打って勉強を始め、ゆくゆくは父の会社の事務になるという安パイな選択肢を打ったが、今の所拙いところは無い。父の事業もますます大きくなっていくようだ。
病体には丁度良い状況だが、宣言した以上必ず簿記一級は取らなければならない。父は大変厳しい人なので、これすら果たせなければ見捨てられるだろう。
実の所デスクワーク向きなのか、勉強することに抵抗は無い。
ただ、たまに携帯をいじりだすと止まらない。音楽もスイッチが入るまで3時間は流しっぱなしだ。
カバに餌をやり、歯磨きを済ますと、満足したのかふあぁと欠伸をして、のそのそと窓から芝生に降り、日向ぼっこを始めた。紋黄蝶がひらひらその近くを飛んでいる。
暫く眺めてから、デジカメで写真を撮った。
カメラは実の所携帯のも嫌いで、でも最後に残るのは思い出だからと、自分は決して映らないように小まめに撮っている。
理由は何でも無い。ただ、下手なのだ。
子カバの食べ残した赤い人参の残骸を見ていて、急に人参のジュースとカルボナーラが食べたくなった。
どちらも濃厚で甘いやつ。ひき肉をたっぷり入れて、ジューサーで回して。
韓ドラを観ていた母に出掛けてくるよと声をかけ、私は買い物カバンを手にスニーカーに右足からつま先を突っ込んだ。
今日の献立。
まあまあです。