恋に時代はいらない。
タイムスリップ
初めまして、私は高宮怜、高校2年生です。
私は両親から虐待を受け、友達にも裏切られ、もううんざりで、
親から離れるために、隣の県まで引っ越して、今は一人暮らしをしています。
「ここまでこれば、私のことを知る人なんてさすがにいないよね…」
実は私の父親はある組の組長をしており、犯罪を犯して一度逮捕されたんだ。
テレビでもニュースになったから、たくさんの人がしってるってわけ。
縁はもうきった。
…
「ねえ、あれってもしかして…」
…やっぱり知られていた…。
なら何処に逃げてももうダメでしょ?
なら…
死んで楽になった方がマシだ。
…
今私は山の崖に立っている。
もうどこに行ったって変わらないなら死んだ方がマシだもの。
「さよなら。」
キキキキキィィィイー
「!?」
物凄く耳が痛い音がする。
私は目をつむった。
…
音が止んで目を開けると…
「え?」
辺りは木の建物。
人はみんな着物で、侍がいて、刀を持っている。
「うそっ…ここは…何処なの?ま、まさか…私タイムスリップしたの…?」
呟いた瞬間目の前が揺れ、目をつむる…
新撰組 ‐君は誰?‐
目をそっと開けると、さっきとはまた違う場所で、大体朝の7時くらいの明るさだった。
「…どうしよ。早くかえ……私がいなくなったって誰も心配なんてしない。それに、…」
私は立ち上がり
「私死のうとしていたじゃない。なら、こっちで死んだ方が…いいじゃんか。」
私は森の中に入り歩いていく。森を抜けると、目の前には海。
「…あそこへ行こう。」
丘のほうへ行き、飛び降りようとすると…
「おぃ、お前死ぬ気か?」
腕をつかまれ、ふりむくと、男がいた。
「そうだけど。あなた誰?私が死ぬことに文句なんてあるの?離して」
「お前家族や友人が泣くぞ」
この人はなにをいっているの?私に居場所なんてない。
「別に誰も悲しんだりしない。私に帰る場所なんてないもの。とにかく離して」
「ッチ」
…今舌打ちした?と思っていたら、急にお腹あたりが痛み、意識が遠のいていく。
「うっ…」
「おとなしくしてろ。」
私は殴られ、意識を手放した…
―――――――――――――――――
「いっ…」
私は目が覚め、起き上がると、自分は布団で寝ていた。
当たりを見回すと、どこかの家のようで、床は畳と、和室だった。
「ここはどこ…?」
襖が開き、人が入ってくる。
「あ、目覚ました?いやぁ、歳がいきなり女の子連れてくるもんだからほんとビックリしたよ~」
誰なの、この人は…
「まぁ、目が覚めたならついてきて」
私は黙って立ち上がりついていくと、ある、部屋の前でとまった。
「沖田です」
「入れ」
中から声が聞こえ、襖をあけ、中に入ると、丘にいた人がいた。
「近藤さん、目覚ましたよ」
近藤さんと呼ばれた人は、うなずき
「そうか、それは良かった。歳のは痛いからなぁ。まぁ、座りたまえ」
私はその場に正座をし、
「ここはどこですか。」
私は周りにいた人たちに問うと
「ここは新撰組だ」
新撰組…あの有名な。なら、ここにいる人たちはやっぱり…
「それで、君名前は?」
近藤と呼ばれる人にいわれ、
「高宮怜です…」
「ふむ。では怜君。歳から聞いたが君は死のうとしていたらしいな。なぜだい?」
なんでそんなこと聞いてくるの。
「なぜそんなことを聞いてくるのですか。私が死のうが勝手じゃないですか。」
私は立ち上がり、部屋をでようとすると、
「おぃ、どこへいく」
丘で殴ってきた人にいわれ、
「どこでもいいじゃないですか。」
私は振り向かず、そのまま走って外へとでた。後ろからの声を無視し、走ると、川の前におり、
「川…か。」
近くにガラスの破片があり、腕を少しきり、私は川に腕をいれ、意識を手放した。
・・・
恋に時代はいらない。