トワイライトセックス

華夜華月

黄昏の出逢い

放課後の図書室―。

それは突然起きた。


ガタガタガタガタ・・・・・・ッ。


地震だ。

それも結構強い揺れ。

俺はテーブルの下に入り、

揺れがおさまるのを

待とうとした。

しかし揺れは強くなっていき、

本棚が倒れそうになる。


その近くには

ひとりの少女がいた。


「あぶない・・・・・・!!!」


俺は咄嗟に飛び出した。

少女に覆い被さり、

落ちてくる本を

自分の身体で受ける。


少し経つと揺れは止まった。

俺は、閉じていた目を開けた。



その瞬間―。


何処かで嗅いだことのある

甘い汗のにおいが

俺の鼻をくすぐる。


赤から紫色のグラデーション・・・

黄昏の光を映す

艶やかな黒髪と切れ長の黒い瞳は

俺の目をとらえる・・・・・・。


俺は抵抗することができなくて

ただただ彼女の黄昏のなかで

自らの時を止めた―。



「えっ・・・・・・・・・と。」


彼女が小さい声をあげた。

俺はハッと我にかえる。


その時、少し体が動いた。


「あん・・・・・・っ!!」


彼女の艶っぽい声が聞こえた。



―俺は、

彼女の脚の間の再奥部で

片膝をたてて、

彼女を押し倒していた。

加えて、

俺の指と彼女の指は

おかしいくらいぴったりと

絡みあっていた。


「ご・・・・・・ごめん!!」


俺は慌てて手を離して

体を起こそうとした。


「いてっ!!」


倒れてきていた本棚に

俺は頭をぶつける。

見ると、その本棚は

すぐ前のテーブルの端に

よりかかっていて、

そのふたつのあいだに

俺と彼女はいた。


「・・・どちらかが

這って出ていくのが

一番だと思う。」


彼女がそう提案する。


「そうだね・・・。

・・・・・・んっ・・・んん!!」


俺はなんとか本棚を

少し持ち上げた。


「・・・これで出れる?」


「うん、なんとか・・・。

すぐ出るね。」


ふたりとも本棚の下から出ると、

彼女が俺に問いかけた。


「・・・ケガしてない?」


「なんともないよ。

幸い本の少ない棚だったし。

本も文庫本だから

特別重くはない。」


「・・・そっか。

ありがとう、助けてくれて。」


「ううん。

当然のことだよ。」


「えっ・・・・・・。」


彼女は目を丸くして俺を見た。


「・・・どうかした?」


「・・・・・・ううん。

なんでもないの。

私、バイト行かなきゃ・・・。

またね。」


そう言って彼女は

図書室を出ていった。


黄昏の刻に自らの時は止まり、

新たな時計(こどう)が

動き始めた。

トワイライトセックス

トワイライトセックス

黄昏のなかで俺と彼女は交わり・・・新たな時計(こどう)が動きだす。

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-03-03

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