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あなたの幸せを私も願ってるなんてただの綺麗事でただの幻想で。
そんな事言える人間は自分が幸せだからそう言えるだけで。
人の幸せを心の底から願えるひとになりたかった。
誰かの笑顔を心の底から願えるひとになりたかった。

優しい人間になりたい。

たくさんのありがとうを言える人間になりたいのに、口から出るのは黒い渦巻き。

嫌なところを探すのは簡単なのに嫌いになるのが難しいのは本当皮肉で残酷なことね。

心の底では嫌いなのかな。

わたしがひまわりが好きだと言ったらひまわりに似ているねって言ってくれた彼は鳥に似ていた。

一人で飛びだってきっともう同じ目線に立つことはない。

優しい人間になりたかった。

彼のように、彼女のように。

大人だって褒めてくれたけど私は大人なんかじゃなくてただ傷つくのが怖いだけの弱虫なんだよ。

一人が好きだと言いながら、独りになると辛くて苦しくて眠れなくなって迷子になってしまう。

私が黒になれたなら。

そしたら共に溶け合おう。

  • 小説
  • 掌編
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更新日
登録日
2016-03-02

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